料金プランを「わかりやすく」説明するコツ

料金プランを「わかりやすく」説明するコツ
料金の説明は、
順番で決まる。
MAKE THE PRICE MAKE SENSE.
「一生懸命説明したのに、伝わっていない」
「結局いくらなのか、と聞き返される」
携帯電話の料金は要素が多く、分かりにくいのが当たり前です。だからこそ伝え方に型が要ります。店頭で使える4ステップと、専門用語の言い換えをまとめました。
この記事は、これから携帯販売で働く方と、料金の説明が長くなってしまう方に向けた、実践編です。読み終わる頃には、複雑な料金を伝わる形に変える4つの順番と、そのまま使える言い換えの引き出しが手元に残ります。料金の中身を覚えている必要はありません。
病院の会計は、先に合計を言ってくれます
病院の窓口で「今日は3,200円です」と言われてから、明細を渡されます。もし順番が逆で、初診料が何点、検査が何点、と読み上げられてから最後に合計を言われたら、途中から何も頭に入らないはずです。人は、着地点を知ってから内訳を聞くようにできています。料金の説明も同じで、うまくいかない原因のほとんどは、話す中身ではなく出す順番のほうにあります。
分かりにくいのは、あなたの説明が下手だからではありません
携帯電話の料金は、基本の料金・データの容量・割引・本体の分割代金・オプションが組み合わさって決まります。部品が5つあって、しかも組み合わせで金額が変わる。分かりにくいのは当たり前です。だから覚えた内容をそのまま並べても伝わりません。並べ方のほうを決めておきます。
伝わる説明の4ステップ
この順番の良いところは、話す側が迷わなくなることです。緊張しているときほど、人は覚えた順に話してしまいます。合計から入ると決めておけば、最初の一言が固定されるので、そこから先が落ち着きます。新人のうちは、この4つを紙に書いてカウンターの下に貼っておいて構いません。
お客様が知りたいのは、今との差だけです
金額そのものより、今と比べてどうかが判断材料になります。だから今の請求額を先に確認して、そこからの差で話します。ここで一番やってはいけないのは、上がるときにその話を後ろに回すことです。増える場合こそ「今より1,200円増えます。理由はこの2つです」と、こちらから先に言います。
私たちがこれを徹底しているのは、後から出てきた数字は、それまでの説明まで全部疑わせるからです。都合の悪い数字を先に出した説明だけが、最後まで信じてもらえます。事実を曲げずに伝えることと、相手に受け取れる形で伝えることは、両立します。
言い換えは、前の日に決めておきます
| そのまま使うと伝わらない言葉 | 言い換えの例 |
|---|---|
| データ容量 | 動画やSNSを、どれくらい見られるか |
| 回線の契約 | 電話番号を使うための、毎月の契約 |
| 端末代と通信料 | 本体の代金と、毎月の使用料 |
| 割引の適用期間 | この安い金額が続くのは、いつまでか |
| プランの見直し | 毎月の中身を、今の使い方に合わせて組み直すこと |
専門用語は、毎日使っていると専門用語だと分からなくなります。だから、その場で考えるのではなく、あらかじめ言い換えを決めておきます。先輩の接客を横で聞いて、お客様が聞き返した言葉をメモしておくと、自分専用の言い換え表がすぐにできます。
分かったふりをさせない、最後の一言
説明の最後に「ご不明な点はありますか」と聞くと、ほとんどの方が「大丈夫です」と答えます。分かっていなくても、そう答えるのが普通です。だから私たちは、代わりにこう聞きます。「今の内容、ご自身の言葉で言うとどうなりますか」。お客様が「今より1,500円安くなって、2年後に少し上がる、ということですね」と返してくださったら、そこで初めて伝わったと分かります。
店頭でよくあるのは、説明が20分を超えて、お客様が「一度持ち帰ります」と言われる場面です。振り返ると、たいてい合計を言わないまま内訳を積み上げています。私たちの目安は、最初の説明は3分。3分で言えない説明は、材料を入れすぎています。
料金の説明は、来月の請求書のためにしています
料金の説明がうまくいったかどうかは、その日には分かりません。答えが出るのは、来月の請求書が届いたときです。そこで「聞いていた金額と違う」と思われたら、その説明は失敗です。逆に、思っていた通りの金額だったとき、お客様は何も感じません。何も起きないことが、この仕事の成功です。私たちが順番や言い換えにこだわるのは、上手に話すためではなく、来月その方が驚かないためです。
今日からできる、たった1つのこと
自分のスマホの請求を「合計 → 内訳3つ → 先月との差」の順で、30秒で声に出して言う
自分の請求明細を開いてください。まず合計を1つ、次に金額の大きい内訳を3つ、最後に先月との差を確認します。数字がそろったら、誰もいないところで構わないので、合計 → 内訳3つ → 先月との差の順に、30秒以内で声に出して言ってみてください。時間はスマホのタイマーで計ります。途中で言い直したところが、そのままお客様が分からなくなる場所です。
まとめ
料金が分かりにくいのは、仕組みが複雑だからです。だから順番を決めておきます。合計を先に言い、今との差を出し、変わる条件を添え、最後にお客様の言葉で言ってもらう。言い換えは前の日に用意しておく。この説明が目指しているのは、来月の請求書を見たその方が、何も驚かないことです。

