機種提案は3つの質問で決まる|スペックより先に聞くこと

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機種提案は3つの質問で決まる|スペックより先に聞くこと

おすすめの機種は、
聞いてから決める。

LISTEN FIRST, SELL LATER.

「説明は覚えたのに、なぜか決まらない」
「何を聞けばいいのか分からない」

携帯販売の成果は、話す力ではなく聞く力で決まります。事実・使い方・困りごとの3層で聞く型と、未経験がやりがちな失敗の直し方をまとめました。

この記事は、これから携帯販売の仕事を始める方と、始めたばかりで「どの機種を勧めればいいのか分からない」と止まっている方に向けた、実践編です。読み終わる頃には、接客の最初の90秒で聞く3つの質問と、候補を2機種まで絞る手順が、そのまま今日から使える形で手元に残ります。機種の知識は要りません。

靴屋さんは、いちばん高い靴から出しません

靴を買いに行くと、店員さんはまず「どんなときに履かれますか」と聞きます。毎日の通勤なのか、月1回の山登りなのか。それによって、出す靴がまったく変わるからです。もし最初に一番高い靴を出されたら、たとえそれが良い靴でも「売りたいだけでは」と感じてしまいます。機種提案もこれと同じです。先に聞く、あとで出す。この順番を逆にした瞬間に、どれだけ良い機種でも受け取ってもらえなくなります。

スペックの前に聞く、3つの質問

スペックの前に、この3つだけ聞きます① 今の不満「今のスマホで、いちばん困ってることは?」② 使い方「いちばんよく使うのはどんなときですか?」③ 予算「月々どのくらいで考えていますか?」この3つで、候補は2〜3機種まで絞れます
最初の90秒で聞く3つ。ここで候補は2〜3機種に絞れます。

この3つを聞くだけで、候補はほぼ2〜3機種まで絞れます。逆に、聞かずにおすすめを出すと「なんでこれなんですか」と言われ、そこから長い説明が始まり、お互いに疲れて何も決まりません。時間にすると、3つ聞くのに90秒、聞かずに説明を始めると20分かかって決まらない、というくらいの差になります。

「今の不満」が、いちばん強いヒントです

買い替えの動機は、たいてい不満です。ここを最初に聞き出せると、提案の軸が決まります。

お客様の言葉見るべきところ
「動きがもっさりする」処理の性能(新しい世代の中身かどうか)
「夕方には電池がない」電池の容量と、省電力の作り
「写真がもう入らない」保存できる容量
「孫の写真がぼやける」カメラの性能
「画面が見えにくい」画面の大きさと明るさ

大事なのは、右側をそのまま読み上げないことです。「この機種は電池が5000ミリアンペアで」ではなく、「今より夕方の残りが増えます」と言います。不満が消える理由まで言葉にできると、価格が少し上がっても納得していただけます。

専門用語は、生活の言葉に置き換えます

専門用語は、そのまま出さずに翻訳しますストレージ128GB写真をだいたい3万枚しまえますなめらかな画面表示スクロールしても文字が読みやすい防水性能キッチンや洗面所でも置いておけるタッチ決済対応改札やレジでかざすだけで払えるお客様が判断できるのは、数字ではなく「自分の生活で何が変わるか」
数字ではなく、その方の生活で何が変わるかに置き換えます。

お客様が判断できるのは、数字ではなく自分の生活で何が変わるかだけです。翻訳の材料は、その方が最初に話してくれた使い方の中にあります。だから3つの質問は、提案の材料集めでもあります。

高い機種を勧めるのが、親切とは限りません

性能が高いほど良い、とは限りません。連絡と写真しか使わない方に最上位機種は過剰ですし、画面が大きい機種は手の小さい方には扱いにくい。機能が多いほど、設定でつまずく場面も増えます。

私たちは、自社の利益とお客様の利益の両方が成り立つ形を「誠実さ」と呼んでいます。裏を返すと、必要のないものを買っていただいて上がった今月の数字は、私たちの中では成果に入りません。その方に合っていない機種は、必ず後で不満になります。そして返ってくるのは、売った本人のところです。だから店頭では、「それはお客様には要らないと思います」と止める場面が普通にあります。その日の数字は減りますが、次にその方が来店されるとき、指名で来てくださいます。

迷っている方には、比べる軸を1つに絞ります

2機種で迷っている方への、出し方の違い違いを10個ぜんぶ説明する→「一度持ち帰ります」比べる軸を1つに絞る「いちばん気にされているのはカメラですよね。そこだけで比べると、こちらです」→「じゃあ、それにします」
材料を増やすと決まりません。軸を1つに絞ります。

2機種で迷っている方に10個の違いを説明すると、余計に決められなくなります。やることは逆で、材料を減らします。「いちばん気にされているのはカメラですよね。そこだけで比べると、こちらです」。判断の軸を1つに絞ってさしあげることが、決めきれない方への最大の親切です。

提案の目的は、決めた後に困らないことです

「カメラで比べると、こちらです」決めきれない方軸を1つに絞る
目指すのはその場の成約ではなく、次の日に困らないことです。

私たちが機種提案で目指しているのは、その場で決まることではありません。買って帰った次の日から、その方が困らないことです。だから提案の最後に、「使い始めて分からないことがあったら、この店に来てください」と必ず伝えます。3つの質問も、生活の言葉への翻訳も、軸を1つに絞ることも、全部そのための道具です。目的をここに置いておくと、迷ったときの判断が簡単になります。「この機種は、この方が来月困らないか」。この一言で決められます。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

自分のスマホの不満を3つ書き出し、それぞれ「どこを見れば直るか」を1つ当てる

紙かメモに、今使っているスマホの不満を3つ書き出してください。「充電が夕方までもたない」「写真を撮ると保存できませんと出る」のように、実際に起きた場面のまま書きます。次に、この記事の表を見ながら、それぞれの右に「見るべきところ」を1つずつ書き添えます。3行そろったら、いちばん上の1つを声に出して、生活の言葉に翻訳してみてください。それが接客の最初の90秒でやることそのものです。

まとめ

スペックより先に、不満・使い方・予算の3つを聞く。買い替えの動機は不満の中にあります。用語は生活の言葉に翻訳し、高い機種が正解とは限らないと知っておく。迷っている方には、比べる軸を1つに絞る。機種の知識は入社後に自然と身につきます。差がつくのは知識の量ではなく、聞いてから提案するという順番のほうです。