マーケティングとは?「広告を出すこと」だと思っている人へ

マーケティングとは?「広告を出すこと」だと思っている人へ
マーケティングは、
広告じゃない。
WHAT MARKETING REALLY IS.
「マーケティング=広告を出すこと」だと思っていませんか。
CCのマーケティングは、広告を出す前に「顧客が何に困っているか」を見つけることから始まります。まず、その考え方の土台から。
マーケティングという言葉は、分かるようでいて、いざ「どんな仕事?」と聞かれると、うまく説明できない——そんな“つかみどころのなさ”があります。だからこそ、まず“考え方”からほぐしていきましょう。
この記事では、マーケティングを難しく感じている方に向けて、私たちが現場で大切にしている見方を、専門用語をかみくだきながらお伝えします。読み終わるころには、「なんだ、そういうことか」と腑に落ちるはずです。
先に結論から。マーケティングとは、広告を出すことではありません。私たちは「顧客の課題を見つけ、顧客や仲間と一緒に解決していく“仕組みづくり”」だと考えています。広告は、その仕組みを動かすための“手段のひとつ”にすぎません。
なぜ、私たちは「広告=マーケティング」だと思ってしまうのか
理由はシンプルで、広告がいちばん目に見えるからです。テレビCM、動画の前に流れる広告、検索結果のいちばん上、SNSをスクロールしていると突然現れる投稿——私たちが日常で「マーケティングっぽい」と感じるものは、たいてい広告です。だから「マーケ=広告運用」というイメージがつきやすい。
でも、手段から入ると視野が狭くなります。「どの媒体に出すか」「どう目立たせるか」ばかりに頭が向いて、そもそも“誰の、どんな困りごとを解決するのか”という一番大事な問いが、すっぽり抜け落ちてしまうのです。派手な広告を打っても、相手の悩みとズレていれば、お金だけが静かに消えていきます。
マーケティングを一言で言うと
まず、教科書ではどう説明されるかを見てみましょう。入門書の定番『大学4年間のマーケティングが10時間でざっと学べる』(阿部誠・著)では、マーケティングの出発点を「顧客のニーズ」に置きます。“つくったものをどう売るか”ではなく、“顧客が求めるもの=売れるものを、どうつくるか”から考える——この「顧客志向」こそが、マーケティングの土台だと解説されています。
より公式な定義もあります。公益社団法人 日本マーケティング協会は2024年、34年ぶりにマーケティングの定義を刷新しました。
顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。
公益社団法人 日本マーケティング協会「マーケティングの定義」(2024年)
むずかしく感じるかもしれませんが、要点はシンプルです。マーケティングとは、顧客や社会と“一緒に”価値をつくり、その関係を育てていく営みだということ。一方的な売り込みではなく、共創です。
私たちCCコミュニケーションズは、この考え方を現場の言葉に翻訳して、こう捉えています。「顧客の課題を見つけ、顧客や仲間と一緒に解決していく“仕組みづくり”」。もっと平たく言えば、“売る”前に“なぜ選ばれるのか”を設計する仕事です。広告や販促は、その仕組みを動かす“手段のひとつ”にすぎません。
この「仕組み」は、いくつかの段階でできています。顧客を知り、課題を見つけ、届ける価値を決め、どこに力を集中するか戦略を立て、そのうえで初めて“どう伝えるか(広告など)”を考える。出した後は数字を見て、改善して、続けていく。この一連の流れ全体がマーケティングです。
図のとおり、広告が登場するのは、かなり後半です。「誰に」「どんな価値を」「なぜ自社が選ばれるか」を決めた“後”で、はじめて「どう伝えるか」を考える。ここを飛ばして広告から入ると、“とりあえず出したけど、誰にも響かない”が起きます。
たとえるなら、マーケティングは「大切な人への手料理」に似ています。相手の好き嫌いを聞き、アレルギーを確かめ、冷蔵庫の中身を見てから献立を決める——ここまでが仕込みです。広告は、最後に「ご飯できたよ」と食卓へ呼ぶ一声にすぎません。呼び方がどれだけ上手でも、相手の苦手なものばかりが並んだ食卓なら、箸は進まないのです。
具体例で見る:同じ求人でも、結果はこんなに変わる
抽象的な話が続いたので、私たちに身近な「採用」を例に、具体的に見てみましょう。ある会社が、人手が足りず急いで求人を出すことになりました。
パターンA(広告から入る)。「未経験歓迎・高収入・アットホーム」という、よく見かける言葉で、とにかく目立つ求人を出しました。応募は一気に集まります。でも「どんな人に来てほしいか」を決めていなかったため、合わない応募もたくさん混ざります。焦って採用した結果、入社後に「思っていた仕事と違った」というギャップが生まれ、半年で何人も辞めてしまいました。
パターンB(マーケティングから入る)。同じ会社が、まず「はじめての転職で不安な20代」に狙いを定めます。その人の困りごと(何を選べばいいか分からない・続けられるか不安)を書き出し、「入社後3ヶ月は先輩がつく」「まずは一つの仕事に集中してもらう」など、“不安を減らす事実”を正直に伝える求人にしました。応募数はAより少なかったものの、集まったのは「合う人」ばかり。入社後の定着率も大きく変わりました。
同じ求人費でも、“広告の前に考えたか”だけで、結果はここまで変わります。これが「広告はマーケティングの一部にすぎない」ということの、具体的な意味です。
営業でも、事務でも——どんな仕事でも同じ
ここでは「採用(求人)」を例にしましたが、これは採用に限った話ではありません。“相手の課題から考える”という順番は、どんな職種でも同じように効きます。いくつかの仕事で見てみましょう。
- 法人営業:「自社の商品を売る」から入るとノルマ頼みになりがち。「この会社は何に困っているか」から入ると、必要な提案に切り替えられ、一度きりでなく続く取引になります。
- 事務・バックオフィス:請求書ひとつでも「早く出す」だけでなく「相手が確認しやすい形」で出す。すると問い合わせが減り、社内や取引先からの信頼が生まれます。事務も“相手の困りごと”から考えれば、立派なマーケティング思考です。
- 携帯・モバイル販売:「この機種を売りたい」ではなく「お客様は月々の負担や使い方で何に困っているか」から提案する。押し売りにならず、口コミや再来店につながります。
- 人材派遣:「とにかく人を送る」のではなく「その職場で長く活躍できる人か」を考える。スタッフが定着し、派遣先からの信頼=次の依頼につながります。
- Web制作:「かっこいいサイト」ではなく「訪問者が何を知りたいか」から設計する。見た目よりも、相手の目的から。
どの仕事にも共通するのは、「目の前の相手は、本当は何に困っているのか」を先に考えていること。これが、職種を越えて一生使える“マーケティングの目”です。
よくある3つの勘違い
- 「広告を出せば集まる」:誰に何を伝えるかが曖昧なままだと、いくらお金をかけても響きません。広告は“増幅装置”。中身が弱いと、弱いまま大きくなるだけです。
- 「目立てば勝ち」:奇抜さで注目を集めても、相手の課題とズレていれば選ばれません。目立つことと、選ばれることは別物です。
- 「クリックやいいねが増えれば成功」:それらは途中の数字です。その先で相手の課題が本当に解決したか(採用なら“定着して活躍したか”)まで見ないと、成功とは言えません。
マーケティングは「一部の人の仕事」じゃない
ここまで読んで、「でもそれは、マーケ担当の話でしょ?」と思ったかもしれません。実は、そうではありません。「顧客から考える」という発想は、職種を問わず、あらゆる仕事で使えます。
- 資料をつくるとき:「自分が見せたいこと」ではなく「相手が知りたいこと」から並べる。
- 問い合わせに答えるとき:質問の文面だけでなく「その人が本当は何を解決したいのか」を想像する。
- SNSを更新するとき:「言いたいこと」ではなく「読む人にとっての得」から書く。
職種はちがっても、できる人がやっていることは同じです。「目の前の相手は、本当は何に困っているのか」を先に考える。これは特別な才能ではなく、習慣です。最初からうまく見抜ける人はいません。「言われた通りに作った資料が、実は相手の求めるものとズレていた」——そんな失敗を重ねながら、“聞く前に決めつけない”クセは、誰でも育てられます。
今日からできる、たった1つのこと
広告の前に答える「3つの問い」
では、具体的に何をすればいいのか。むずかしく考える必要はありません。何かを「広める」前に、次の3つの問いに答えるクセをつけるだけで、考え方は変わります。
- 誰の、どんな困りごとを解決する?
- どんな価値を届ける?
- なぜ、他社でなく自社が選ばれる?
誰の、どんな困りごとを解決するのか。年齢や職種だけでなく、“どんな状況の人か”まで一文で書き出す。
この3つが決まってから、「どう伝えるか(広告・SNS・記事など)」を考える。順番さえ間違えなければ、同じ手間・同じ費用でも、結果は大きく変わります。
まとめ
マーケティングは、広告を出すことではありません。顧客の課題を見つけ、解決する仕組みをつくること。手段より先に、目的から考える——それが、すべての出発点です。そしてこの「顧客から考える」力は、マーケ職に限らず、あらゆる仕事で一生使える武器になります。
私たちCCコミュニケーションズも、そんな視点を一緒に育てていける仲間を募集しています。まずは、私たちの仕事をのぞいてみてください。

