来客・電話対応の基本|会社の「第一印象」をつくる

机に広げた契約書とペン
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来客・電話対応の基本|会社の「第一印象」をつくる

あなたが、
会社の顔。

RECEPTION

「来客や電話の対応に、自信がありますか?」

最初の応対が、会社の印象を決めます。基本を押さえましょう。

この記事は「事務職の仕事」シリーズの4本目、ここから実践編です。入門編の3本で仕事の全体像を見た方が、現場に立って最初に任される場面——来客と電話の対応を扱います。読み終わる頃には、来客対応の5ステップと、電話メモに書く5項目を、そのまま口に出せる言葉つきで実行できるようになります。

先に結論から。良い第一印象は、笑顔の大きさでは決まりません。「待たせないこと」と「間違えないこと」——この2つでできています。どちらも、今日から手順で再現できます。

受付は「会社の顔」である前に、お客様の不安を消す係

訪問する側の気持ちを想像してみてください。初めて来た建物、正面のドアが合っているのか分からない、約束の相手がちゃんと聞いているかも分からない。お客様は、玄関を入った時点で少し不安を抱えています。

だから最初の一言は、「いらっしゃいませ」より「◯◯様、お待ちしておりました」のほうが効きます。その一言で、来た場所が合っていること、話が通っていることが同時に伝わるからです。受付の目的は、きれいな挨拶をすることではありません。目の前のお客様と、奥で待っている担当者、その両方を安心させることです。所作は、そのための手段です。

受付カウンターお待ちしておりました初めて来た人は、いつも少し不安です
名前を先に呼ばれた瞬間、お客様の不安は消えます。

来客対応は、この5ステップだけ

来客対応の5ステップ(この順番で覚えます)13秒以内に立つ座ったまま迎えない2社名とお名前を聞く「恐れ入ります」から3聞いた内容を復唱「◯◯様、△△の件」4担当者へ取り次ぐ約束の有無も伝える5席へ案内し時間を言う「3分ほどで参ります」③の復唱を飛ばすと、④の取り次ぎが必ずずれます
難しいのは1つもありません。順番どおりに手を動かすだけです。

つまずきやすいのは③の復唱です。慣れないうちは「聞き返したら失礼かな」と思って飛ばしがちですが、逆です。「株式会社〇〇の△△様、14時のお約束ですね」と声に出すと、お客様は「正しく伝わった」と分かって安心します。もし社名が違っていても、その場で直せます。

電話は「5つの枠」を埋めれば終わり

電話が苦手な人の多くは、何を聞けばいいのか決まっていません。逆に言えば、聞くことを先に決めておけば怖くなくなります。私たちが新しく入ったスタッフに渡すのは、次の5枠だけが印刷されたメモ用紙です。

電話メモは、この5つの枠を埋めれば終わり① 会社名株式会社〇〇 様② お名前△△ 様(読み方も聞く)③ ご用件見積書の金額について④ 折り返し要/不要 番号を復唱⑤ 受けた時刻7月31日 14時20分
白紙のメモ帳をやめて、この5枠の紙を机に置くだけで聞き漏らしが消えます。

この紙を机に置いてから、受話器を取ります。相手が話し始めたら、枠を上から埋めていくだけ。最後に「復唱いたします」と言って、①②③を読み上げます。読み上げると、聞き間違いはその場で相手が直してくれます。

待たせるときは、「少々」ではなく秒数で伝える

「少々お待ちください」は便利な言葉ですが、人によって「少々」の長さが違います。10秒のつもりで言った側と、2分待たされた側では、感じ方がまったく変わります。

お待たせする時間ごとに、言う言葉を決めておく待たせる時間かける言葉こちらの動き〜15秒「少々お待ちください」そのまま保留でよい15〜30秒「確認いたしますので、30秒ほどお待ちください」見込み時間を先に言う30秒を超えたら「もう少しお時間をいただきます。折り返しでもよろしいでしょうか」いったん保留を解いて戻る
「少々」は人によって長さが違います。数字で言うと相手は安心します。

保留のまま30秒を超えそうなときは、いったん戻って声をかけます。相手にとって、無音の保留は実際の時間より長く感じられます。受話器の向こうでは、何が起きているのかまったく見えないからです。

来客も同じです。担当者がすぐに来られないと分かったら、席へ案内したうえで「あと3分ほどで参ります」と数字で伝えます。時間が分かれば、お客様はその3分をスマートフォンの確認などに使えます。分からないまま待つ3分と、分かって待つ3分は、まったく別のものです。

来客対応は、家に友人を招くときと同じです

分かりやすい例えがあります。友人が家に来たとき、私たちは自然にこうしています。玄関で名前を呼んで迎え、上着を預かり、「お茶を入れるので座って待っていて」とこれから何が起きるかを先に伝える。会社の受付でしていることも、まったく同じです。

逆に、玄関で無言のまま立たされ、いつまで待つのかも分からない家に招かれたら、親しい友人でも落ち着きません。所作の細かいルールを覚える前に、この感覚を持っておくと、迷ったときの答えが自分で出せます。

現場のリアル:メモ用紙を作り替えたら、確認の往復が消えた

以前、私たちのオフィスでは電話メモに白紙のメモ帳を使っていました。人によって書く項目がバラバラで、「この電話、どこの会社からだっけ」と聞き返す往復が週に5件ほど起きていました。折り返しの電話番号だけが書かれていて、社名がない、ということもありました。

そこで、先ほどの5枠を印刷した用紙を全員の机に置きました。それだけで、聞き返しの往復は週1件まで減りました。個人の記憶力を上げたのではなく、書く場所を先に用意しただけです。

この往復が減って助かったのは、私たちではありません。折り返しの電話を待っていたお客様です。社内で「どこからの電話だっけ」と探していた時間は、そのままお客様が待たされていた時間でした。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

メモ用紙を1枚用意して、5つの枠を線で引く

手元の紙を1枚取り出して、上から「会社名/お名前/ご用件/折り返しの要否と番号/受けた時刻」の5つの枠を、線を引いて作ってください。所要時間は2分です。作ったら、電話機のそばか、パソコンの右側に置きます。次に電話が鳴ったとき、枠を上から埋めるだけで、聞き漏らしのない取り次ぎができます。

まとめ

来客対応は5ステップ、電話は5つの枠。第一印象をつくるのは笑顔の大きさではなく、待たせない工夫と、復唱による間違い防止です。どちらも今日から紙1枚で始められます。次の記事では、その予定と締切を落とさないための、スケジュール管理の仕組みを見ていきます。