仕事を始める前に、自分の役割を言葉にする

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仕事を始める前に、自分の役割を言葉にする

自分の役割を、
言葉にする。

WORK BASICS | CHAPTER 3

「頑張っているのに、評価されない」。その差は、"役割"の理解から生まれます。

仕事を始める前に。あなたが「誰に・どんな価値を届ける役割」かを、一文にします。

第3章読むだけ 約6分/やるなら 約40分

いよいよ、仕事が始まります。でもその前に、たった一つだけ決めておきたいことがあります。それは、あなたの「役割」です。

この記事のゴール

あなたと上司(マネージャー)が対話し、「この組織・プロジェクトで、自分は誰に、どんな価値を届ける役割なのか」を一文で言語化し、共通認識を持つ。

最初の問い

一生懸命働いているのに、評価されない人がいるのは、なぜでしょう?

まず1〜2分、考えてみてください。

「頑張ること」と「役割を果たすこと」は、同じでしょうか?

失敗ストーリー

ある新人は、毎日誰よりも早く出社し、頼まれたことをすべて丁寧にこなしていました。本人は「自分は、かなり頑張っている」と思っていました。

でも数か月後、上司にこう言われます。「丁寧にやってくれているのは分かる。でも、いま期待している役割とは、少しズレているんだ」。

新人に悪気はありません。上司も、期待する役割をはっきり伝えていませんでした。二人とも真面目だったのに、最初の"役割認識"がズレていたから、努力の方向もズレてしまったのです。

役割が分からなければ、努力の方向も決まらない

仕事では、努力の"量"だけでなく、努力の"方向"が結果を分けます。その方向を決めるものが「役割」です。役割が曖昧なままだと、次のことを正しく決められません。

  • 何を優先するのか
  • 誰の課題を解決するのか
  • 何を"成果"とするのか
  • どんな知識を学ぶのか
  • どこまで自分で判断してよいのか
  • いつマネージャーへ相談するのか
原理原則

努力は、量だけでは実らない。
方向を決めるのは「役割」。
だから、走り出す前に役割を言葉にする。

役割から、行動が決まる

1組織の目的会社は何のためにあるか2部署・プロジェクトの目的チームは何を担うか3自分の役割誰に、どんな価値を届けるか4達成すべきゴールどんな成果を出すか5具体的な行動いつ・何をやるか6PDCA(改善)行動を確認し、良くし続ける
PDCAから始めない。役割→ゴール→行動、の順で決まる。

PDCAから考え始めるのではありません。まず"役割"があり、それを果たす"ゴール"があり、ゴールに向けた"行動"がある。その行動を良くするために、PDCAを回します。

現場ではどう使う?|BPO営業の例

たとえばBPO営業(クライアント企業から営業業務をまるごと請け負う仕事)なら、役割はこう言葉にできます。「私は、業務課題を抱える企業に対して、課題を整理し、最適なBPOの仕組みを提案し、顧客の業務改善と継続的な取引をつくる役割を担う」。
電話を100件かけるのは"作業"です。その作業が果たす"役割"は、新しい顧客との接点をつくり、課題を知る機会を増やすこと。役割が分かると、作業の意味が変わります。

役割を言葉にする6つの質問

あなたと上司が、それぞれ答えます。
一人で読んでいる場合は、まず自分の分だけ書いてください。後日、上司に見せて答え合わせをすれば十分です。

  1. この部署・プロジェクトは、何のために存在していますか?
  2. 自分は、誰に価値を提供する役割ですか?
  3. 相手に、どんな変化を生み出す役割ですか?(「説明する」等の作業ではなく、その先の状態)
  4. 自分に期待されている成果は何ですか?
  5. いまは、どこまで自分で判断してよいですか?
  6. どの時点で、誰に相談すべきですか?
個人ワーク|役割定義(あなた×マネージャー)
  1. あなたが自分の役割を書く(自分は何を担うために参加したと思うか)。
  2. マネージャーが、本人の回答を見る前に、期待する役割を書く。
  3. 二人の認識の違いに印をつける(正解探しではありません)。
  4. 対話する。①特に期待すること ②今は期待しないこと ③困ったら相談してほしいこと。
  5. 役割を、下の型で一文にまとめる。

型:私は、価値を提供する相手に対して、提供する価値を届け、実現したい状態・成果をつくる役割を担います。

BPO営業の記入例:私は、業務上の課題を抱える企業に対して、課題を整理したうえで最適なBPOの仕組みを提案し、顧客の業務改善と継続的な取引を実現する役割を担います。

※完成形ではありません。案件・段階・経験・期待に応じて調整します。

AIを使った壁打ち

役割の一文が固まらないときは、AI(Claude・ChatGPT等)に相談してみましょう。

私の仕事の役割を、一文に言語化したいです。「誰に対して・どんな価値を届け・どんな状態や成果をつくる役割か」を明確にします。 質問は一度に一つだけしてください。私の答えが曖昧なときは、具体例を求めてください。 最後に、役割を一文にまとめる案を3つ出してください。

AIの案はそのまま使わず、マネージャーとの対話で自分の言葉に直します。

この章の最後に決めること
  • 自分の役割を表す一文
  • 最初の1か月で、特に期待されていること
  • 現時点では、期待されていないこと
  • 困ったときに相談する相手
  • 自分で判断してよい範囲
  • マネージャーと進捗を確認する頻度
マネージャーへ

役割を伝えるとき、いきなり具体的なタスクだけを並べないでください。「電話を100件かけて」だけでは、本人は"電話をかけること"が仕事だと誤解します。

次の順で伝えてください。「あなたには、新しい顧客との接点をつくる役割がある。その最初の行動として、電話をかける」。タスクは状況で変わりますが、役割と目的が分かっていれば、本人は"次に何をすべきか"を自分で考えられます。

今日の行動宣言

私は、価値を提供する相手に対して、提供する価値を届け、実現したい状態・成果をつくる役割を担います。

最初の1か月は、特に期待されていることに集中して行動します。

翌日の振り返り

次回のミーティングで、1人1分で共有します。

  1. 決めた役割の一文を、声に出して言えるか
  2. 昨日の行動は、その役割に沿っていたか
  3. ズレを感じた場面はあったか。あれば、どこか

この章のまとめ

  • 努力は「量」より「方向」。方向を決めるのが役割
  • 役割 → ゴール → 行動 → PDCA の順。PDCAから始めない
  • 役割は、あなたとマネージャーの"対話"で一文にする
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