初期設定・データ移行でつまずくポイントと備え方

スマートフォンを持つ手元
  1. 携帯販売コラム
  2. 携帯販売
  3. 端末・デバイス・ガジェット
  4. 初期設定・データ移行でつまずくポイントと備え方

初期設定・データ移行でつまずくポイントと備え方

渡して終わり、
ではない仕事。

THE LAST TEN MINUTES.

「設定でお客様を待たせてしまう」
「何を確認しておけばいいのか分からない」

契約が終わってからの初期設定とデータ移行は、満足度を大きく左右します。つまずきやすい場面と、事前にできる備えをまとめました。

この記事は、これから携帯販売で働く方と、契約の後の設定でお客様を待たせてしまう方に向けた、実践編です。読み終わる頃には、初期設定とデータ移行でつまずく3つの場面と、それぞれを先回りで防ぐ一声が手元に残ります。端末の細かい操作を覚えている必要はありません。

メガネ屋さんは、かけて歩いてもらってから渡します

メガネを作りに行くと、レンズができた後にもうひと手間あります。鼻あてと耳のところを曲げて、実際にかけて店内を少し歩いてみてください、と言われる。あれをせずに袋に入れて渡されたら、家に帰ってから「なんだかずれる」となって、もう一度店に戻ることになります。携帯ショップの初期設定とデータ移行は、まさにあの調整の時間です。物を渡すことと、使える状態にして渡すことは別です。

最後の十分で、その日の印象が決まります

1件の接客のうち、印象が決まるのは最後の部分です受付・お伺い機種と料金の説明契約の手続き設定・データ移行お渡しここが「最後の十分」帰り道の気分は、ここで決まりますどれだけ丁寧に説明していても、最後で手間取ると、その印象だけが残ります
どれだけ丁寧に説明しても、最後で手間取るとその印象が残ります。

契約の手続きが終わった時点では、まだ仕事は終わっていません。今日から使える状態にしてお渡しするまでが1件です。ここで手間取ると、それまでどれだけ丁寧に説明していても、最後の記憶だけが持ち帰られます。逆に、ここが滑らかだと、その方は名前を覚えて帰られます。必要なのは難しい知識ではなく、段取りです。

つまずくのは、だいたいこの3つです

つまずくのは、だいたいこの3つです認証の情報が手元にないご契約の手続きに入る前設定のときに使うIDとパスワード、お手元でご覧になれますか↑ この一声で防げます写真や動画が多い移行を始める直前写真が多いので、20分ほどかかります。お掛けになってお待ちください↑ この一声で防げます渡した後の操作が不安お渡しの直前よく使うものを2つだけ、今ここで一緒にやってみましょう↑ この一声で防げます
3つとも、先に一声かけておけばほとんど起きません。

3つとも、その場で慌てて対処しようとすると長引きます。共通しているのは、先に一声かけておけば、ほとんど起きないということです。特に1つ目は、契約の手続きに入る前に確認します。設定の段階になってから「IDが分かりません」となると、その場では進められず、また来ていただくことになります。

待ち時間は、長さより見通しです

同じ20分でも、体感はここまで違います何も言わずに20分実際の時間:20分体感:「まだ終わらないのかな」先に20分と伝える実際の時間:20分体感:「そんなものか」短くできない時間は、先に長さを伝えるだけで短くなります
短くできない時間は、先に長さを伝えるだけで短くなります。

データの移行は、写真や動画が多い方ほど時間がかかります。この時間そのものは短くできません。短くできるのは、待っている方の体感のほうです。私たちが必ずやっているのは、始める前に「◯分ほどかかります」と数字で伝えることと、途中で一度「半分ほど終わりました」と声をかけることです。この2回で、同じ20分がまったく別の20分になります。

渡す前に、一緒にやっておく2つの操作

よく聞かれることお渡しの前に、その場で一緒にやること
写真の撮り方が変わったカメラを開いて、1枚撮って、その写真を開くところまで
電話帳が見つからない連絡先を開いて、家族の名前を1件検索するところまで
前の端末のアプリが無いよく使うアプリを1つ入れて、開くところまで
文字が小さくて読めない文字の大きさを変える画面を出して、1段階だけ変えてみる

全部を教える必要はありません。その方が明日いちばん使うものを2つだけ、指を動かしていただくところまでやります。説明を聞くだけの操作は、家に帰ると忘れます。1回自分でやった操作は残ります。この2つの差が、後日の来店と問い合わせの数を変えます。

未経験のうちに準備できること

  • 自分のスマホで、データ移行の流れを一度、最初から最後まで通してみる
  • よく聞かれる操作を書き出し、説明のときに使う言葉を先に決めておく
  • 移行にかかる時間の目安を、自分の中に数字で持っておく
  • 分からない場面に出会ったら、その日のうちに先輩に聞いて、手帳に1行書く

店舗で実際にあったのは、写真が2万枚以上ある方の移行に40分かかり、その間ずっと無言になってしまった、という場面です。時間そのものは仕方がありません。問題は、その方が何分待つのか分からないまま座っていたことでした。今は、移行を始める前に枚数を見て、目安の時間をお伝えしてから始めます。

渡して終わりにしないのは、明日その方が困らないためです

「カメラだけ、ここで一度やってみましょう」お渡しの前に、指を動かしていただくところまでが仕事です
お渡しの前に、指を動かしていただくところまでが仕事です。

設定や移行は、こちらの都合で言えば、早く終わらせたい作業です。ただ、私たちがこの十分にこだわっているのは作業を早く終えるためではありません。お客様が家に帰った日の夜、一人で使えるかどうかを決めるのがこの時間だからです。ここを飛ばすと、翌日その方は不安なまま過ごし、週末にもう一度来店されます。丁寧にやると、その来店が要らなくなります。段取りは目的ではなく、その方の明日のための手段です。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

自分のスマホで連絡先の移行手順を最後まで開き、詰まった画面を2つ書き出す

自分のスマホの設定画面を開いて、連絡先やデータを新しい端末へ移す手順を、実際に最後の確認画面まで進めてください(実行はしなくて結構です)。進めながら、どこで手が止まったか、どの言葉の意味が分からなかったかを2つ、紙に書き出します。書けたら、その2つを自分の言葉で説明し直してみてください。その2つが、お客様が同じ場所で止まる場所です。

まとめ

初期設定とデータ移行は、知識ではなく段取りの仕事です。認証の情報は手続きの前に確認し、かかる時間は始める前に数字で伝え、よく使う操作は渡す前に一緒にやる。目指しているのは、その日の作業を早く終えることではなく、家に帰ったその方が一人で使えることです。