提案では、リスクも一緒に話す|デメリットプレゼンとスモールスタート

提案では、リスクも一緒に話す|デメリットプレゼンとスモールスタート
いい提案は、
デメリットも話す。
TALK ABOUT THE RISKS, TOO.
「絶対にうまくいきます」と言い切る営業を、あなたは信じられますか。
本当に信頼される提案は、リスクも隠しません。そのうえで「どうリスクを小さくするか」まで設計します。
メリットだけを並べた提案は、なぜか信用されません。リスクも正直に伝えてこそ、相手は安心して踏み出せます。この記事では、デメリットまで話す提案の型と、スモールスタートで失敗を小さくする進め方を紹介します。
なぜメリットだけだと信用されないのか
都合のいい話ばかりが並ぶと、相手はかえって「本当に大丈夫?」と身構えます。リスクを自分から先に出す方が、誠実さが伝わり、結果的に信頼されます。
デメリットプレゼンの型
提案 → 理由 → デメリット → それを上回るメリット → 失敗した場合の対処、の順で設計します。言い方の一例です。
「この方法にもリスクはあります。ただ、まずはこの規模で実施すればリスクを限定できます。ここまでやって成果が出なければ、この方法はやめて、別の案に切り替えましょう。」
スモールスタートと失敗ライン
新しい取り組みは、小さく始めます。目的は「失敗しないため」ではなく、「失敗しても、次を試せる状態を作るため」です。
そのために、あらかじめ「どこまでやってダメなら、この方法をやめるのか」=失敗ラインを決めておきます。ラインを超えたら、同じことを繰り返さず別案へ。目的にはしつこく、手段には固執しない、という考え方です。
「会社がどう儲かるか」を数字で示す
「良いサービスです」だけでは弱い提案です。売上アップだけでなく、工数削減・人件費・機会損失・管理工数など、見えないコストも数字にします。
たとえば「社員がやっているだけだからコストはゼロ」と言われても、時給換算だけで反論しません。本来その社員に課しているミッションから逆算します。売上を作るべき社員が単純作業に月10時間使っているなら、失っているのは"10時間分の人件費"ではなく、"その10時間で本来生み出せた価値"です。
NG例
- メリットしか書かない
- 「高品質」「柔軟」「安心」など、抽象語だけで語る
- 根拠のない効果を約束する
- リスクを聞かれてから、慌てて答える
リスクを先に出すと、会話はこう変わる
この体制なら、繁忙期も問題なく回ります。実績も十分にありますので、ご安心ください。
…そうですか。まあ、社内で検討してみます。
ぜひ前向きにご検討ください。
悪いところが1つも出てこない提案は、相手に「まだ言っていないことがあるはずだ」と思わせます。検討しますは、たいてい断りの入口です。
この体制で回せる見込みですが、先に弱いところを1つだけお伝えします。立ち上がりの2週間は、御社側で1日30分ほど質問対応の時間をいただくことになります。
30分か…現場が対応できるかな。
そこで、最初は1店舗だけで始めませんか。2週間やって、質問対応が30分を超えるようなら、こちらの手順書を作り直します。それでも重ければ、その時点で止めていただいて構いません。
止められるなら、試しやすいですね。1店舗なら現場も説得できます。
ありがとうございます。では「2週間で質問対応が1日30分以内に収まるか」を、続けるかどうかの判断ラインにしましょう。
デメリットを先に出したうえで、規模を小さくし、やめる基準まで決めています。
人が決められないのは、良い話が足りないからではなく「失敗したときどうなるか」が見えないからです。GOODは弱点を先に開示し(デメリットプレゼン)、範囲を1店舗に絞り(スモールスタート)、「2週間で30分以内」というやめる基準まで置いています(失敗ライン)。相手が背負うリスクが小さく、しかも自分で止められる形になったので、その場で判断できました。NGのように良い面だけを並べると、相手は不安を口に出せないまま「検討します」に逃げます。隠すより先に出したほうが、結果的に早く決まります。
私たちはこう考える
強く断言する営業より、リスクまで理解して相手の意思決定を助けられる営業を目指します。価格も安易には下げません。下げるときは「後でどう回収するか」まで設計します。
たとえば、こんな場面で
「この施策、絶対にうまくいきます」と言い切る提案は、かえって信用されません。人は、良いことしか言わない相手を警戒するからです。私たちはリスクも一緒に話します——「この方法にもリスクはあります。◯◯の場合は効果が出にくい。ただ、まずはこの規模で小さく始めれば、リスクは限定できます」。
そのうえで「ここまでやって成果が出なければ、その時点で別案に切り替えましょう」と、『失敗ライン』を先に決めておきます。全部を賭けさせない。小さく試せるようにする。デメリットを隠すより、先に開示して対処までセットで見せる方が、相手は安心して動けます。これが結果的に、最初の一歩を踏み出してもらう一番の近道になります。
メリットだけを並べる提案と、リスクも話す提案では、相手の受け取り方が逆になります。
| メリットだけの提案 | リスクも話す提案 | |
|---|---|---|
| 見せ方 | 良い面だけを強調 | 良い面+リスク+その限定策 |
| 顧客の心理 | 「本当に?」と警戒する | 「正直だ」と安心する |
| 始めやすさ | 大きく賭けさせられる | 小さく試せる(スモールスタート) |
| 失敗したとき | 想定外・責任問題になりやすい | 想定内・すぐ次案へ切り替え |
| 長期の信頼 | 失いやすい | 積み上がる |
今日からできる、たった1つのこと
今出している提案を1つ選び、「弱点」「うまくいかない条件」「やめる基準」の3行を書き足す。
提出前の提案書、または送る前のメールを1つ開いてください。そこに3行だけ足します。①この方法の弱いところ ②うまくいかないのはどんな条件のときか ③どこまでやってダメなら別案に切り替えるか。③まで書くのがいちばん効きます。「やめる基準」が書いてあると、相手は小さく試す判断ができるからです。書いていて手が止まったら、それは自分でもリスクを把握できていないサインなので、社内の先輩に確認してから出してください。まだ提案を持っていない人は、社内の企画やアルバイトの改善提案で同じ3行を試せます。
まとめ
リスクを隠す提案は、短期的には通っても長続きしません。デメリットを先に出し、小さく始め、失敗ラインを決める。それが、CCの考える誠実さ=Win-Winのつくり方です。
提案全体の組み立ては提案書・価格・クロージング、担当者が社内で通せるようにする方法は稟議と決裁者の動かし方にまとめています。

