スケジュール管理のコツ|「抜け漏れ」をなくす

スケジュール管理のコツ|「抜け漏れ」をなくす
抜け漏れは、
仕組みで防ぐ。
SCHEDULE
「うっかり予定を忘れてしまうこと、ありませんか?」
記憶に頼らず、仕組みで管理すれば抜け漏れは防げます。
この記事は「事務職の仕事」シリーズの5本目(実践編)です。前の記事で来客と電話の受け方を身につけた方が、次にぶつかるのが「約束が増えると落ちる」という壁です。読み終わる頃には、予定を3種類に分けて置き場所を決められるようになり、締切をカレンダーに2つの予定として入れるやり方が使えるようになります。
先に結論から。抜け漏れは、記憶力の問題ではありません。置き場所の問題です。予定が3か所に分かれて書かれている人は、どれだけ気を張っても落とします。逆に、置き場所を1つに決めた人は、忘れていても落ちません。
守っているのは予定ではなく、待っている人の一日
スケジュール管理の話をする前に、その先にいる人の話をさせてください。「17時までにお送りします」と伝えた資料を忘れたとき、困るのは自分の評価ではありません。その資料をもとに、今日中に返事をしようとしていたお客様の一日です。
社内でも同じです。金曜に出すはずの集計が月曜にずれれば、それを見て発注をかけるはずだった仲間の予定が丸ごと動きます。予定を守るのは真面目さのためではなく、相手の時間を勝手に使わないため。仕組みも道具も、そのための手段です。
買い物メモを持たずにスーパーへ行くのと同じ
分かりやすい例えがあります。買い物メモを持たずにスーパーへ行く場面です。3品なら覚えられます。5品でもなんとかなります。ところが8品になると、必ず1つ2つ落とします。しかも落とすのは、たいていその日の夕飯にいちばん必要だったものです。
仕事の予定もこれとまったく同じで、抱えている数が増えた瞬間に、記憶は当てになりません。にもかかわらず、多くの人は「もっとしっかり覚えよう」と自分を責めます。必要なのは記憶力ではなく、メモという置き場所です。
まず、置き場所を1つに決める
紙の手帳でも、スマートフォンのカレンダーでも、会社の共有カレンダーでもかまいません。大切なのは「開く場所が1つ」であることです。付箋とメールの下書きと頭の中に分かれていると、今日やることを知るために3か所を見比べる必要があり、その見比べ自体を忘れます。
予定は3種類ある。混ぜずに書き分ける
①アポイントは開始時刻が決まっているもの、②タスクは締切だけ決まっているもの、③ボール待ちは相手の返事を待っているものです。多くの人が①と②しか書いていません。落ちるのは、たいてい③です。
「先方に見積の確認をお願いしました」で終わらせると、その案件は自分の視界から消えます。返事が来なければ、来なかったことにすら気づきません。だから③は、「いつまでに返事が来なければ、自分から催促するか」の日付とセットで書きます。
締切は、カレンダーに2つ入れる
もう1つの落とし穴が、締切日だけをカレンダーに入れることです。金曜17時と書いてあると、金曜の朝に初めて手をつけることになり、材料が足りないと気づいた時点でもう間に合いません。
入れるのは「作業する日」と「提出する日」の2つです。作業日を締切の2日前に置いておけば、足りないものが見つかっても手が打てます。実際、私たちが締切に遅れるときの原因のほとんどは「作業が長引いた」ではなく、「始めてから材料が足りないと分かった」です。
作業日を入れるときは、時間まで書きます。「水曜」ではなく「水曜14時から16時」。時間を書かない予定は、その日のうちに他の用事に押し出されます。逆に時間まで入っていれば、来客が入りそうになったときに「その時間は動かせません」と自分で答えられます。
現場のリアル:週1回15分の「ボール一覧」
私たちの事務チームでは、毎週月曜の朝に15分だけ、全員で「いま相手の返事を待っているもの」を順番に読み上げます。読み上げるだけで、資料は作りません。
始める前は、「返事待ちのまま2週間止まっていた案件」が月に3件ほど出ていました。読み上げを始めてからは、月0件が続いています。誰かが「それ、先週も言っていましたよね」と気づいてくれるからです。止まっている時間は、そのまま相手を待たせている時間でした。
今日からできる、たった1つのこと
いま「相手の返事待ち」になっているものを全部書き出し、それぞれに催促する日付を1つ書く
紙でもスマートフォンのメモでもかまいません。いま自分が相手の返事を待っているものを、思い出せるだけ書き出してください。3つでも10個でも大丈夫です。次に、1つずつの横に「この日までに返事がなければ自分から聞く」という日付を書き足します。日付を書いた瞬間、その案件は「止まっているもの」から「動いているもの」に変わります。
まとめ
抜け漏れは記憶力ではなく置き場所の問題です。予定は1か所に集め、アポイント・タスク・ボール待ちの3種類に書き分け、締切は作業日と提出日の2つに分けてカレンダーへ入れる。この3つだけで、落ちる回数は大きく減ります。次の記事では、こうして進めた仕事を周りへどう伝えるか——報連相の基本を見ていきます。

