ワイヤーフレームとは?サイトの「設計図」を描く

ノートに描かれた設計図
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  4. ワイヤーフレームとは?サイトの「設計図」を描く

ワイヤーフレームとは?サイトの「設計図」を描く

描いてから、
作る。

WIREFRAME

「作りながら考えて、何度も直していませんか?」

先に設計図(ワイヤーフレーム)を描けば、作り直しが減ります。

この記事は、Web制作の仕事に興味がある未経験の方に向けた「制作の進め方」の3本目です。前回、企画で目的とターゲットを決めました。今回はその次、設計の話です。読み終わる頃には、ワイヤーフレームが何を決めるための紙なのかを説明でき、自分でも1枚描けるようになります。

先に結論から。ワイヤーフレームとは、色も写真も入れずに「どこに、何を、どの順番で置くか」だけを決めた下書きです。デザインの下書きではありません。訪問者が読む順番を決めるための紙だと考えてください。

模様替えの前に、紙へ家具を描くのと同じです

部屋の模様替えを想像してください。ソファを実際に持ち上げて動かしてから「やっぱり窓側だった」となると、腰も時間も持っていかれます。ところが紙に部屋の形を描いて、長方形をソファに見立てて動かすなら、5分で10通り試せます。

ワイヤーフレームは、その紙です。実際に組み立てる前に、置き方を何度でも試せる。いちばん軽い状態で、いちばん多く迷っておくための道具です。

ワイヤーフレームは「グレーの箱」でできています

同じページの、3つの段階。位置と順番は最初から変わりませんワイヤーフレームデザイン完成したページ位置と順番が決まっていれば、あとは色と写真をのせるだけです
左から右へ。中身の位置は、最初の1枚で決まっています。

図の左が、実際に私たちが描くワイヤーフレームです。文字は入っていても、色はグレー1色。写真の場所には、四角にバツ印を書くだけ。ここから色と写真をのせていくと、右の完成形になります。

決めることと、決めないこと

ワイヤーフレームで決めることここでは決めないこと
ページに何を載せるか色や配色
上から何番目に置くか実際の写真
どのくらいの大きさで見せるか書体や飾り
どこを押すと、次に何が起きるか細かい言い回し

色をあえて入れないのには、はっきりした理由があります。色が入ると、人は色の話をしてしまうからです。「このボタン、青がきれいですね」と言われた瞬間、「そもそもこのボタンは必要か」「押す前に知りたいことが書けているか」という議論は消えてしまいます。グレーのままにしておくのは、中身の話だけを集中してするための工夫です。

直すのが早いほど、手間は小さくなります

同じ「1か所の変更」でも、気づくのが遅いほど手間は増えます紙のワイヤーで消して描き直すだけデザインの段階で1枚を描き直す組み立てたあとで組み直しと確認公開したあとで文章も画像も全部だから、いちばん軽い「紙の段階」で徹底的に迷っておきます
紙で気づけば消しゴム1回。公開後だと、全部に手が入ります。

図のとおり、同じ「1か所の変更」でも、気づく段階が遅いほど直す範囲が広がります。組み立てたあとで「この情報、順番が逆でした」となれば、デザインも文章も画像も一緒に動きます。私たちが紙の段階でしつこく確認をお願いするのは、ここで直すのがいちばん軽いからです。

CCの現場では、ワイヤーを紙に印刷して机に置きます

私たちがワイヤーフレームを依頼主にお見せするとき、画面ではなくA4に印刷して机に並べます。そして「上から指でなぞりながら読んでみてください」とお願いします。紙はスクロールできないぶん、順番の違和感がはっきり出るからです。

以前、ある企業サイトで、私たちは1画面目に「会社の想い」を置いた案を出しました。指でなぞってもらったところ、社長ご本人が途中で手を止めて「私がお客様なら、ここで自分の知りたいことがなくて閉じます」とおっしゃいました。そこで1画面目を「対応エリアと料金の目安」に差し替え、想いは2画面目へ移しました。この差し替えは、私たちのセンスではなく、指がどこで止まったかで決めています。

訪問者は、上から順にしか読みません

訪問者は、上から順にしか読みません1画面目誰向けかを宣言する2画面目実績・写真・根拠3画面目詳しい説明開いて3秒で「自分向けか」を判断されるここまで読むのは興味を持った人だけ大事な情報ほど上へ。ワイヤーフレームで決めるのは、この順番です
1画面目で「自分向けだ」と伝わらないと、2画面目は読まれません。

ここがワイヤーフレームの核心です。並び順は、作り手の見栄えの都合ではなく、訪問者が知りたい順で決めます。設計とは、その人が探しものにたどり着くまでの道順を、あらかじめ引いておく作業です。きれいに並べることが目的ではなく、迷わせないことが目的です。

ワイヤーフレームは、チーム全員の共通言語になります

もう1つ、この1枚には大きな役目があります。デザインを描く人、ページを組み立てる人、文章を書く人、そして依頼主。立場の違う全員が、同じ紙を指しながら話せるようになることです。

口約束だけで進めると、「もう少し目立たせてください」という一言が、人によって別のものに変わります。ある人は文字を大きくすると受け取り、ある人は色を変えると受け取る。ワイヤーフレームがあれば、その一言は「この四角を1段上へ」という、誰が読んでも同じ意味の指示になります。

未経験でも、今日から描けます

道具は紙とペンだけ。四角を並べるところから始まります
高価なソフトは不要。まずは1枚、四角で写し取ることから。

専用のソフトは必要ありません。A4の紙を横向きに置き、上から順に四角を並べて、それぞれに「見出し」「本文」「写真」「ボタン」と書き込むだけ。私たちの現場でも、最初の1枚は手描きで出てくることがよくあります。うまく描くことより、順番を決め切ることのほうが大事だからです。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

よく見るサイトのトップページを1つ選び、A4の紙に「四角と線」だけで10分で写し取る。

文字は「見出し」「本文」「写真」「ボタン」とだけ書き、色は塗りません。写し終えたら、上から3つの四角が何だったかを見てください。色と写真を取り払うと、そのサイトが訪問者にいちばん先に見せたかったものが、はっきり浮かび上がります。これが、ワイヤーフレームを読む力の第一歩です。

まとめ

ワイヤーフレームは、色を入れずに「何を、どの順番で置くか」だけを決める紙です。決める基準は見た目の好みではなく、訪問者が知りたい順。そして紙の段階で迷っておくほど、あとの作り直しは軽くなります。私たちCCコミュニケーションズは、紙を机に広げて一緒に指でなぞってくれる仲間を探しています。