サイトの目的とターゲットを決める|最初にやること

キーボードを打つ手元
  1. Web制作コラム
  2. Web制作、デザイン
  3. 制作の進め方
  4. サイトの目的とターゲットを決める|最初にやること

サイトの目的とターゲットを決める|最初にやること

誰に、
何のために。

GOAL & TARGET

「なんとなく良さそう」でサイトを作っていませんか。

目的とターゲットを決めるだけで、サイトはぶれなくなります。

この記事は、Web制作の仕事に興味がある未経験の方に向けた「制作の進め方」の2本目です。前の記事で企画・設計・制作・公開という流れを見ました。今回はその1段目、企画で決める中身の話です。読み終わる頃には、サイトの目的とターゲットを、自分で一文にして書けるようになります。

先に結論から。目的とターゲットを最初に決めるのは、作り手が迷わないためではなく、訪問者を迷わせないためです。誰に向けたページかがはっきりしているサイトは、開いた人が3秒で「これは自分の話だ」と分かります。逆にここが決まっていないサイトは、全員に少しずつ向けた言葉が並び、結局誰も自分の話だと思えません。

プレゼント選びと同じで、「誰に」が決まらないと選べません

誕生日プレゼントを買いに行く場面を思い浮かべてください。「誰かにあげる、何か」というつもりで店に入っても、棚の前で立ち尽くすだけです。ところが「母に、毎日使うものを」と決まった瞬間、候補は一気に絞られ、予算も売り場も決まります。

サイト作りもまったく同じです。「かっこいいサイト」を目指すと手が止まり、「接客の仕事から事務職に移りたい20代後半の人に、応募ボタンを押してもらう」と決めた瞬間、載せる写真も、書くべき文章も、ボタンの位置まで決まっていきます。

最初に埋めるのは、3つの箱だけ

最初に埋めるのは、この3つの箱だけ目的何を増やしたくて作るのか例:求人への応募を、月1件から月5件にしたいターゲット誰が読むのか(1人まで絞る)例:接客の仕事から事務職に移りたい、20代後半の人ゴールその人にしてほしい行動(1つだけ)例:応募フォームの送信ボタンを押してもらうこの3行が埋まると、載せる内容は自動的に決まっていきます
目的・ターゲット・ゴール。この3行が企画のすべてです。

決めることは、目的・ターゲット・ゴールの3つだけです。とくにゴールは1つに絞るのがコツ。「応募もしてほしいし、資料請求もしてほしいし、SNSもフォローしてほしい」と並べると、訪問者はどれを押せばいいか分からず、結局どれも押さずに離れます。

「みんな向け」は、実は誰にも届きません

同じ工務店のサイトでも、言葉はこれだけ変わりますみんなに向けた言葉安心・安全の高品質豊富な実績と確かな信頼お客様第一のていねいな対応どれも正しいけれど、読んでいる人の顔が浮かびません一人に向けた言葉平日は見学に行けない共働きの方へ土曜の午前だけ、90分の相談会はじめての家づくり質問リスト付き一人に向けた言葉は、同じ状況の人みんなに届きます
左は全部正しい言葉。でも、読む人の顔が浮かびません。

図の左側に並んだ言葉は、どれも嘘ではありません。ただ、どの会社のサイトにも書いてある言葉です。全員に当てはまる言葉ほど、当たり障りがなくなっていく——これがサイト作りでいちばんよく起きる失敗です。

読む人が変われば、同じ会社でも載せるものが変わります

読みに来る人その人が探していることトップに置くべき言葉
家を建てたい家族建てた家の写真と、費用の目安はじめての家づくり、土曜90分の相談会
取引を考える会社会社の規模と、これまでの実績施工実績と、対応できる工事の範囲
仕事を探している人1日の流れと、先輩の話未経験で入った先輩の、ある1日

同じ工務店のサイトでも、来る人によって探しているものはまったく違います。だから「トップページに何を置くか」は、デザインの好みではなく、いちばん来てほしい人が何を探しているかで決まります。写真を大きくするか、料金表を先に出すか、先輩の一日を載せるか。その判断はすべて、この表の1行目に誰を書いたかで変わります。

CCの現場で、ターゲットを1つに削った話

以前、地元の工務店様のサイトを作ったとき、私たちは最初、トップページに「新築を考えるご家族」「リフォームを検討中の方」「仕事を探している方」の3つの入口を横並びで置いた案を出しました。社内の確認で、この案は差し戻されました。理由は「3人分の話が交互に並ぶと、自分の話がどこにあるか分からなくなる」。

そこで、トップは新築のご家族に絞り、リフォームと採用は入口のリンクだけ残して、別ページへ分けました。公開から3ヶ月後、問い合わせは月1〜2件から月5件前後に増えました。情報を減らしたのに、届く数は増えた——このときの経験が、私たちがターゲットを1つに絞る理由になっています。

ターゲットは「人物1人」まで絞ると、文章が書けます

絞るほど、相手の顔が見えてきます女性まだ誰も見えない20代後半の女性少し近づいた接客から事務職へ移りたい20代後半・平日は夜しか見ないこの人になら、話しかけられる相手が1人に決まった瞬間から、文章は書けるようになります
左から右へ。絞るほど、書ける言葉が増えていきます。

「20代の女性」では、まだ誰も見えていません。「接客の仕事から事務職に移りたい、平日は夜しかスマホを見ない20代後半の人」まで絞ると、その人に話しかける文章が書けるようになります。夜にスマホで読むと分かっていれば、長い文章は見出しごとに切り、写真は縦向きを選びます。ターゲットを絞る作業は、そのまま制作の判断材料を増やす作業でもあります。

目的とターゲットは、訪問者への約束です

「私に関係のある話、ある?」訪問者は、自分に関係のある話だけを探しています
開いて3秒で「自分の話だ」と分かるかどうかが勝負です。

ここまでの話は、作り手の効率の話に見えるかもしれません。でも本当の理由は違います。サイトを開いた人は、自分に関係のある情報を探しに来ています。目的とターゲットを決めるのは、その人が探しものにまっすぐたどり着けるようにするためです。私たちにとって企画は、依頼主のビジネスと、その先の訪問者、両方に対する約束の言葉づくりです。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

好きなお店か会社のサイトを1つ開いて、「このサイトは(誰)に(何)をしてほしくて作られたか」を一文で書く。

かっこ2つを自分の言葉で埋めるだけです。埋まらなければ、そのサイトは目的とターゲットが決まっていないか、決まっていても表に出ていません。逆にすぐ埋まるサイトは、上から3行で「誰に」を宣言しているはずです。1週間で3サイトぶん書きためると、自分が作る番になったときの型になります。

まとめ

サイト作りは「誰に、何のために」から始まります。決めるのは目的・ターゲット・ゴールの3つ、ゴールは1つだけ。そして絞る目的は、作り手が楽になることではなく、訪問者を迷わせないことです。私たちCCコミュニケーションズは、デザインの前にこの一文を一緒に考えられる仲間を探しています。