サイトの目的とターゲットを決める|最初にやること

サイトの目的とターゲットを決める|最初にやること
誰に、
何のために。
GOAL & TARGET
「なんとなく良さそう」でサイトを作っていませんか。
目的とターゲットを決めるだけで、サイトはぶれなくなります。
この記事は、Web制作の仕事に興味がある未経験の方に向けた「制作の進め方」の2本目です。前の記事で企画・設計・制作・公開という流れを見ました。今回はその1段目、企画で決める中身の話です。読み終わる頃には、サイトの目的とターゲットを、自分で一文にして書けるようになります。
先に結論から。目的とターゲットを最初に決めるのは、作り手が迷わないためではなく、訪問者を迷わせないためです。誰に向けたページかがはっきりしているサイトは、開いた人が3秒で「これは自分の話だ」と分かります。逆にここが決まっていないサイトは、全員に少しずつ向けた言葉が並び、結局誰も自分の話だと思えません。
プレゼント選びと同じで、「誰に」が決まらないと選べません
誕生日プレゼントを買いに行く場面を思い浮かべてください。「誰かにあげる、何か」というつもりで店に入っても、棚の前で立ち尽くすだけです。ところが「母に、毎日使うものを」と決まった瞬間、候補は一気に絞られ、予算も売り場も決まります。
サイト作りもまったく同じです。「かっこいいサイト」を目指すと手が止まり、「接客の仕事から事務職に移りたい20代後半の人に、応募ボタンを押してもらう」と決めた瞬間、載せる写真も、書くべき文章も、ボタンの位置まで決まっていきます。
最初に埋めるのは、3つの箱だけ
決めることは、目的・ターゲット・ゴールの3つだけです。とくにゴールは1つに絞るのがコツ。「応募もしてほしいし、資料請求もしてほしいし、SNSもフォローしてほしい」と並べると、訪問者はどれを押せばいいか分からず、結局どれも押さずに離れます。
「みんな向け」は、実は誰にも届きません
図の左側に並んだ言葉は、どれも嘘ではありません。ただ、どの会社のサイトにも書いてある言葉です。全員に当てはまる言葉ほど、当たり障りがなくなっていく——これがサイト作りでいちばんよく起きる失敗です。
読む人が変われば、同じ会社でも載せるものが変わります
| 読みに来る人 | その人が探していること | トップに置くべき言葉 |
|---|---|---|
| 家を建てたい家族 | 建てた家の写真と、費用の目安 | はじめての家づくり、土曜90分の相談会 |
| 取引を考える会社 | 会社の規模と、これまでの実績 | 施工実績と、対応できる工事の範囲 |
| 仕事を探している人 | 1日の流れと、先輩の話 | 未経験で入った先輩の、ある1日 |
同じ工務店のサイトでも、来る人によって探しているものはまったく違います。だから「トップページに何を置くか」は、デザインの好みではなく、いちばん来てほしい人が何を探しているかで決まります。写真を大きくするか、料金表を先に出すか、先輩の一日を載せるか。その判断はすべて、この表の1行目に誰を書いたかで変わります。
CCの現場で、ターゲットを1つに削った話
以前、地元の工務店様のサイトを作ったとき、私たちは最初、トップページに「新築を考えるご家族」「リフォームを検討中の方」「仕事を探している方」の3つの入口を横並びで置いた案を出しました。社内の確認で、この案は差し戻されました。理由は「3人分の話が交互に並ぶと、自分の話がどこにあるか分からなくなる」。
そこで、トップは新築のご家族に絞り、リフォームと採用は入口のリンクだけ残して、別ページへ分けました。公開から3ヶ月後、問い合わせは月1〜2件から月5件前後に増えました。情報を減らしたのに、届く数は増えた——このときの経験が、私たちがターゲットを1つに絞る理由になっています。
ターゲットは「人物1人」まで絞ると、文章が書けます
「20代の女性」では、まだ誰も見えていません。「接客の仕事から事務職に移りたい、平日は夜しかスマホを見ない20代後半の人」まで絞ると、その人に話しかける文章が書けるようになります。夜にスマホで読むと分かっていれば、長い文章は見出しごとに切り、写真は縦向きを選びます。ターゲットを絞る作業は、そのまま制作の判断材料を増やす作業でもあります。
目的とターゲットは、訪問者への約束です
ここまでの話は、作り手の効率の話に見えるかもしれません。でも本当の理由は違います。サイトを開いた人は、自分に関係のある情報を探しに来ています。目的とターゲットを決めるのは、その人が探しものにまっすぐたどり着けるようにするためです。私たちにとって企画は、依頼主のビジネスと、その先の訪問者、両方に対する約束の言葉づくりです。
今日からできる、たった1つのこと
好きなお店か会社のサイトを1つ開いて、「このサイトは(誰)に(何)をしてほしくて作られたか」を一文で書く。
かっこ2つを自分の言葉で埋めるだけです。埋まらなければ、そのサイトは目的とターゲットが決まっていないか、決まっていても表に出ていません。逆にすぐ埋まるサイトは、上から3行で「誰に」を宣言しているはずです。1週間で3サイトぶん書きためると、自分が作る番になったときの型になります。
まとめ
サイト作りは「誰に、何のために」から始まります。決めるのは目的・ターゲット・ゴールの3つ、ゴールは1つだけ。そして絞る目的は、作り手が楽になることではなく、訪問者を迷わせないことです。私たちCCコミュニケーションズは、デザインの前にこの一文を一緒に考えられる仲間を探しています。

