Wordで見やすい文書を作る|見出しと余白の力

机に広げた契約書とペン
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Wordで見やすい文書を作る|見出しと余白の力

読みやすさは、
構造で決まる。

WORD

「作った文書が読みにくいと言われた経験はありませんか?」

見出しを付けて余白を置くだけで、Word文書は見違えます。

この記事は、事務職・オフィスワークにこれから挑戦する方に向けた、ITリテラシー「Officeソフト」の4段目です。ここからは実践編。Wordで文書を「作れる」段階から、受け取った人が探さずに読める文書にする段階へ進みます。読み終わる頃には、見出しスタイルの当て方と、一文を切る目安が手を動かして分かります。

先に結論から。読みやすさは、文才ではなく3つの操作で決まります。①見出しスタイルを当てる ②一文を40〜60字で切る ③段落の後ろに余白を置く。この3つは、書いたあとの5分で全部できます。

見出しのない文書は、仕切りのない引き出し

文房具が全部まとめて入っている引き出しから、ホチキスを1つ探すところを想像してください。中身は全部そろっているのに、見つけるまで手で全部かき分けることになります。見出しのない20ページの文書は、これと同じ状態です。

見出しは、その引き出しに入れる仕切り板です。仕切りがあれば、ペンの区画だけを見ればペンが見つかります。文書も、見出しで区切られていれば、読む人は自分に関係のあるかたまりだけを読めます。

同じ文字数でも、探しやすさが変わります仕切りのない引き出し仕切りのある引き出し端から全部読むしかない必要なかたまりだけ読める
同じ文字数でも、仕切りがあるかどうかで探す時間が変わります。

①見出しは「スタイル」で当てる — 太字にするのではなく

見出しを作るとき、文字を選んで太字ボタンを押し、サイズを16ptに上げていませんか。それは見た目だけの見出しで、Wordから見ればただの太い文字です。正しい手順は、見出しにしたい行にカーソルを置いて、ホームタブの右側にある「スタイル」の一覧から「見出し1」をクリックすることです。キーボードならCtrl+Alt+1で見出し1、Ctrl+Alt+2で見出し2が当たります。

スタイルで当てると、3つのことが自動でできるようになります。目次が自動で作れる。表示タブの「ナビゲーションウィンドウ」にチェックを入れると、左側に見出しの一覧が出て、クリックでその場所へ飛べる。そして「見出しの色を全部変えたい」と言われたとき、1か所直すだけで全部の見出しが変わります。

見た目は同じでも、できることが違う手で太字+文字を大きく「見出し1」スタイルを適用目次が自動で作れる×目次が自動で作れる左の一覧から飛べる×左の一覧から飛べるあとで一括で書式変更×あとで一括で書式変更見た目を真似ただけの見出しは、Wordから見ればただの太い文字です
見た目を真似た見出しでは、目次もナビゲーションも作れません。

②一文は40〜60字。読点が3つを超えたら切る

長い文が読みにくいのは、読み終わるまで結論が分からないからです。目安をひとつ決めておくと迷いません。「、」が3つ以上になったら、そこで文を切る。切る場所は、たいてい3つ目の読点のあたりです。

切るときに文章を削る必要はありません。「〜しましたところ、」を「〜しました。」に変えて、次の文を始めるだけです。伝える内容はそのまま、読む速さだけが上がります。

「、」が3つを超えたら、そこで切る切る前(読点4つ・98字)本日ご案内した勤務条件につきまして、社内で確認いたしましたところ、開始日を1週間ずらすことが可能となりましたので、ご都合をお知らせください。切ったあと(1文あたり40字前後)本日ご案内した勤務条件を、社内で確認しました。開始日を1週間ずらせます。ご都合をお知らせください。言葉を削るのではなく、文を分けるだけ。意味は減りません。
読点を句点に変えるだけ。内容は1文字も減っていません。

③余白は「段落後8pt・行間1.15」で置く

文字がページの端から端までびっしり詰まっていると、目が行の頭に戻る場所を見失います。ホームタブの「段落」グループ右下の小さな矢印をクリックすると設定画面が開くので、「段落後」を8pt、「行間」を1.15行にしてください。それだけで、かたまりの切れ目が目で分かるようになります。

もうひとつ。1ページに書くのは見出し2つまでと決めておくと、詰め込みすぎが自然に止まります。3つ目の見出しが同じページに来たら、内容を分けるか、ページを変える合図です。

箇条書きは3〜5項目で止める

項目が8つ並ぶ箇条書きは、読む人にとって「まだ終わらない」の合図です。5つを超えたら、似たものを1つにまとめるか、見出しを1つ増やして2つのリストに分けてください。人が一度に目で追えるのは、だいたい5行までです。

現場のリアル:問い合わせの電話が週5件から1件に

私たちは、派遣先の企業へお渡しする業務マニュアルをWordで作っています。以前のマニュアルは20ページで、見出しが手作りの太字でした。目次もナビゲーションも作れないので、現場のスタッフは知りたい項目を探して端から読むしかなく、「〇〇のやり方はどこに書いてありますか」という電話が週に5件かかってきていました。

見出しをすべて「見出し1」「見出し2」のスタイルに置き換え、1ページ目に自動生成の目次を入れ直しました。作業にかかったのは1時間ほどです。その翌月から、同じ問い合わせは週1件以下になりました。文章は1文字も書き換えていません。変えたのは構造だけです。

整えるのは、読む人の時間を返すため

見出しをそろえることも、余白を取ることも、きれいな書類を作った自分を褒めるためではありません。目的は、その文書を開いた人が探さずに、必要なところにたどり着けることです。

マニュアルを読むのは、初めての職場で緊張しているスタッフかもしれません。案内文を読むのは、時間のないお客様かもしれません。私たちが5分かけて構造を整えれば、その先の何十人かが、それぞれ数分ずつ節約できます。整えることは、相手の時間を先に払っておくことです。

見出しで区切られた文書3秒で目的の項目へ
構造が整った文書は、受け取った人が3秒で目的地に着きます。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

手元のWord文書を1つ開いて、見出しを3つスタイルで付け直す

過去に作ったWord文書を1つ開いてください。太字で作った見出しを3つ選び、それぞれの行にカーソルを置いてCtrl+Alt+1を押します。次に表示タブの「ナビゲーションウィンドウ」にチェックを入れて、左側に見出しが3つ並ぶのを目で確かめてください。ここまで所要5分。その文書は、もう探せる文書になっています。

まとめ

読みやすさは、見出しスタイル・一文を切る・余白を置くの3つで作れます。太字で見出しの見た目を真似ても、目次もナビゲーションも生まれません。まずは手元の1つの文書で、見出しを3つ付け直すところから。次は同じ「伝える」でも、画面に映して見せるPowerPointへ進みます。