Galaxyの歴史③|折りたたみとAI、そして店頭の言葉に変える

カウンターに並べられた3台のスマートフォン
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Galaxyの歴史③|折りたたみとAI、そして店頭の言葉に変える

歴史を、
1文にして渡す。

THE HISTORY OF GALAXY | 第3部

「折りたたみって、壊れませんか」
そう聞かれて、言葉に詰まったことはないでしょうか。

答えは「壊れました」です。逃げずにそこから話したほうが、この端末は伝わります。

今日お伝えしたいことは1つです。折りたたみは、一度壊れたところから世に出ました。

しかも壊れたのは、発売してからではありません。発売する前です。

この記事は第1部第2部の続きであり、3部作の着地点です。最後に、この歴史を店頭で使う1文に変えます。

音声で聴く20分01秒

この記事の内容を、2人の会話で解説します

AIが記事を読み解いて対話形式にした音声です。話しているのは実在の社員ではありません。

Foldは、発売の4日前に止まった

2019年2月20日、サムスンは折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」を発表しました。

開けばタブレット並み。閉じればポケットに入る。形そのものが新しい端末です。

ところが4月、発売前に配られたレビュー機の画面が、次々に壊れます。

当初の発売日は4月26日。サムスンが延期を発表したのは、4月22日でした。

4日前です。

広告も、流通も、予約も動いている段階で止めました。

画面を壊したのは、剥がしてはいけないフィルムだった

原因の一つは、拍子抜けするほど単純なものでした。

画面の上にある保護層を、レビュアーが「保護フィルム」だと思って剥がしたのです。

サムスンは箱に「剥がすな」と書いていました。

それでも剥がされました。

ここが大事です。説明書に書いてあることは、伝わっていないのと同じだということです。

サムスンの対応は、注意書きを増やすことではありませんでした。保護層を画面の縁の外側まで伸ばし、指がかからない形に設計を変えたのです。そして9月6日、韓国で発売しました。

1 2019年2月20日 発表 折りたたみを世界に公開 2 2019年4月 レビュー機が壊れた 保護層を剥がされた 3 2019年4月22日 発売を止めた 発売4日前の延期 4 2019年9月6日 設計を直して発売 保護層を縁の外まで延長
出す直前で止めた7か月。第1部の焼却、第2部の回収と、判断の性格は同じです。

この話は、そのままお渡しのときに使えます。

「このフィルムは剥がさないでください」と一言添える。それだけで、後日の故障相談が減ります。
説明書に書いてあるから大丈夫、にはなりません。

FoldとFlipは、比べるものではない

折りたたみはいま、開き方の違う2種類に育っています。

どちらが上ということはありません。選ぶ理由がまったく別です。

Z Fold 本のように横に開く 開くとタブレット並みの大画面 動画・書類・同時作業に強い 「大きく使いたい」お客様に Z Flip 縦に半分にたたむ たたむと手のひらに収まる 持ち歩きやすさとデザイン 「かさばるのは嫌」なお客様に
スペックで比べると迷います。「どう持ち歩くか」で分ければ迷いません。

大画面で使いたいならFold。持ち歩きやすさとデザインならFlip。

この2つを最初に分けてから話すと、商談が短くなります。

AIは、機能名を言った瞬間に伝わらなくなる

2024年のGalaxy S24から、Galaxy AIが本格的に載りました。翻訳や、文章・画像の補助をこなします。

ところがこれは、カメラや電池と違って目に見えません。店頭でいちばん説明しづらい機能です。

コツは1つ。機能名を言わないことです。

「AIが使えます」では伝わりません。
「海外旅行のとき、電話しながらそのまま通訳が入ります」なら伝わります。

お客様の予定の中にある場面で話す。それだけです。

日本のGalaxyだけ、名前が違った時期がある

店頭でときどき聞かれる小ネタです。

海外では一貫して「Samsung」のロゴでした。ところが日本向けだけは、2015年のGalaxy S6以降、背面も起動画面も「Galaxy」表記でした。

それが2023年春のGalaxy S23シリーズから、「Samsung」表記に戻っています。

「サムスンとGalaxyって同じ?」と聞かれたら、こう答えられます。「サムスンという会社がつくっているブランドがGalaxyです。日本でも2023年からSamsungのロゴに戻りました」。

歴史は、4行の表になる

ここまでの3部作を、店頭で使う形に落とすと4行です。

年号は要りません。この4行だけが現場の道具です。

シリーズこう言うお客様に出す S 毎年の主力 画面がきれいなものがいい/最新を試したい Ultra Sペンが使える最上位 手書きでメモを取りたい/仕事で使う Z 折りたたみ 人と同じは嫌/大画面だがかさばるのは困る A 価格を抑えた普及モデル 安く済ませたい/使い方は電話とLINEが中心
「どれがいい?」と聞かれたら、右側から入ります。

今日のまとめ

  • Foldは発売4日前に止まり、注意書きではなく設計を変えて9月に出た
  • FoldとFlipは優劣ではなく「どう持ち歩くか」で分けると商談が短くなる
  • AIは機能名ではなく、お客様の予定の中にある場面で話すと伝わる

3本を通して見ると、この会社は同じことを3回やっています。

  • 1995年、不良品15万台を社員の前で燃やした(第1部
  • 2016年、Note7を修理ではなく全量交換で回収した(第2部
  • 2019年、Foldを発売4日前に止めて設計をやり直した(この記事)

どれも、その場の数字を捨てて、あとの信用を取った判断です。

お客様に渡すなら、この1文で足ります。

サムスンは、失敗したときに回収するほうを選んできた会社です。

スペックは毎年変わります。
シリーズの役割は、そんなに変わりません。
そして、この判断の癖は変わりません。

TODAY'S ACTION

店頭のGalaxyを1台つかまえて、シリーズ名と「出す相手」を声に出す

次に店頭に立ったら、Galaxyの実機を1台手に取ってください。まず背面ロゴを見て、サムスンのブランドだと確認します。次に、その機種がS・Ultra・Z・Aのどれかを言い当て、「この一台は、こういうお客様に出す」と理由を1文で声に出します。カタログを見ずに言えたら、この3部作は頭に入っています。

Galaxyの歴史(全3部) 第1部乾物屋から始まり、携帯電話15万台を燃やすまで 第2部Galaxyをつくったのは、エリートではなかった 第3部折りたたみとAI、そして店頭の言葉に変える(この記事)