満足がリピートを生む|CS・カスタマージャーニー・リピーター

満足がリピートを生む|CS・カスタマージャーニー・リピーター
売って
からが始まり。
SATISFACTION
新規獲得ばかりに追われていませんか。
CS・カスタマージャーニー・リピーター。買った後の設計を整理します。
新しいお客様を獲得するのは、大変です。広告費もかかるし、信頼もゼロから作らなければならない。一方、一度満足してくれたお客様が「また来たい」と戻ってきてくれれば、その労力はぐっと減ります。だからこそ、マーケティングでは「買ってもらった後」がとても大切なのです。
この記事では、リピートと口コミを生む3つの考え方——顧客満足(CS)・カスタマージャーニー・リピーター育成——を整理します。共通するのは、「売る瞬間」でなく「体験の流れ全体」で顧客を見る、という視点です。
先に結論から。顧客満足(CS)は「期待を超えたときに生まれ」、それが「また来たい(リピート)」と「人に勧めたい(口コミ)」に変わっていく。そしてリピーターは、新規客よりもずっと少ないコストで、大きな利益をもたらします。
顧客満足(CS)|満足が利益に変わる仕組み
顧客満足(CS)は、単なる「良い気分」ではありません。満足したお客様は、また買ってくれて、周りに勧めてくれる。つまり満足は、めぐりめぐって利益に変わるのです。ではどうすれば満足が生まれるか。カギは「期待」との差にあります。
人は、事前の期待を“超えられた”ときに満足します。逆に、どんなに良いサービスでも、期待が高すぎればがっかりする。だから、大げさに期待をあおって売るのは危険です。期待を適切に保ち、そのうえで少し上回る——この積み重ねが、じわじわとファンを育てます。
カスタマージャーニー|顧客の旅を描く
カスタマージャーニーとは、顧客が商品を「知る→調べる→買う→使う→また買う」とたどる“旅”を、一つの流れとして描いたものです。多くの会社は「買う」の瞬間だけを見ますが、実際には、その前後の各段階に、満足を左右するポイントが隠れています。
たとえば「調べる」段階で情報が分かりにくければ、そこで離脱される。「使う」段階でつまずけば、二度と戻ってこない。ジャーニーを描くと、「どこで顧客がつまずき、どこで感動するか」が地図のように見えてきます。そのうえで、つまずきポイントを一つずつ潰していく。点の対応でなく、旅全体を設計する。それがリピートを生む土台になります。
リピーター|「また来たい」をつくる
リピーターの価値は、数字で見ると歴然です。新規客は毎回、広告費をかけて獲得しなければなりませんが、リピーターは獲得コストがほぼゼロ。しかも、信頼があるから価格競争にも巻き込まれにくい。売上を安定させるのは、派手な新規獲得より、地道なリピーター育成なのです。
「また来たい」を作るのは、特別なことではありません。買った後に「その後いかがですか」と一声かける、使い方のコツを教える、困ったときすぐ対応する——こうした“買った後の小さな気配り”が、「この会社は違う」という印象を作ります。売って終わりでなく、売ってからが始まり。この意識があるかどうかで、顧客が一度きりで終わるか、長く付き合うファンになるかが決まります。
undefined「売る相手」ではなく「守るべき人」として見る
満足やリピートの話をすると、たいてい「どうやったら満足してもらえるか」という手法の話になります。アンケートを取る、フォローの連絡を入れる、特典をつける。どれも間違いではありません。でも、その手前にもっと効く姿勢があります。
お客様を「売る相手」ではなく「守るべき人」として見ることです。相手のことを、相手自身より深く理解しようとする。そして、自分の売上と相手の利益がぶつかったとき、相手の利益を先に取る。売る人ではなく、相談される人になる。結果として、選ばれ続けます。
言葉にすると当たり前に聞こえますが、実際にやると痛みを伴います。私たちの仕事で言えば、こういう場面です。
- 「販売員を10人ほしい」と言われたとき、10人を出すことを目的にしない。その先で何を実現したいのかを一緒に探す。場合によっては「10人ではないほうがいい」と言う
- 求職者に対して、受かりそうな求人ではなくその人にとって続く仕事を勧める。合わないと思ったら、正直に止める
- いま出せる人がいないとき、無理に埋めない。埋めれば今月の数字にはなりますが、合わない人を送れば現場が困り、その人自身も苦しくなります
どれも、短期的には売上を逃す判断です。それでも次に困ったとき、また相談してもらえる。満足やリピートは、施策でつくるものというより、この判断の積み重ねの結果として出てきます。CCが「ナイスお節介!」を合言葉にしているのは、これを続けようという意思表示です。
満足度を上げる施策より先に、「どちらを取るか」を決めておく。
自分の売上と相手の利益がぶつかる場面は、必ず来ます。そのときにどう判断するかを先に決めていないと、毎回その場の都合で決めることになります。リピートしてくれるお客様は、良いフォローをした相手ではなく、自分の側に立ってくれたと感じた相手です。
リピートは「3つの伸ばし方」のうちの1つ
もう少し数字の話もしておきます。売上を伸ばす手立ては、突き詰めると3つしかありません。①お客様の数を増やす。②1回あたりの取引を大きくする。③取引が続く回数を増やす。この3つは足し算ではなく掛け算なので、それぞれ1割ずつよくできれば全体では3割以上になります(計算例です)。
この記事で扱ってきたリピーターは、③にあたります。そして③は、いちばん見落とされて、いちばんコストがかからない打ち手です。新しいお客様を1社見つけるのにかかる手間と、いま取引しているお客様にもう一度声をかけてもらう手間を比べれば、差は明らかです。
採用でも同じです。「応募数を増やす」だけが打ち手だと思っていると、広告費が増え続けます。辞めずに続けてもらうこと、辞めた人が戻ってきてくれること、誰かを紹介してくれること。これらは応募数を増やすのと同じだけ効いて、しかも安い。LTV(一人のお客様が生涯にもたらす価値)を考える理由も、ここにあります。
今日からできる、たった1つのこと
お客様の期待を、あおりすぎず「少し上回る」を狙ってみる。期待させすぎると、後でがっかりされます。ちょうど良い期待+少しの上乗せが、リピートと信頼を生みます。
まとめ
顧客満足・カスタマージャーニー・リピーター育成——3つに共通するのは、「売る瞬間」でなく「体験の流れ全体」で顧客を見ることです。期待を少し超え、旅のつまずきを減らし、買った後も気を配る。その積み重ねが、リピートと口コミを生み、売上を安定させます。新規を追い続けるより、一度出会った人を大切にする。それが、遠回りに見えて確かなマーケティングです。
