案件がないときこそ連絡する|接点を切らさない関係のつくり方

案件がないときこそ連絡する|接点を切らさない関係のつくり方
用事がなくても、
連絡する。
STAY IN TOUCH.
案件があるときだけ、顧客に連絡していませんか。
関係は、案件のないときにこそ育ちます。売るためだけの連絡を、少し卒業してみましょう。
「またご案件があれば、ぜひ」——そう言って別れたお客様に、その後どんな連絡をしていますか。この記事は、既存のお客様を担当し始めた若手営業や、法人営業に興味がある方に向けた実践編です。読み終える頃には、案件が途切れている時期に「何を・いつ送ればいいか」を自分で決められるようになり、売り込みではない連絡を今日から1通送れるようになります。
なぜ「用事があるときだけ」では、選ばれないのか
案件のときだけ現れる営業は、お客様の記憶に「売りたい人」として保存されます。すると、新しい課題が生まれた瞬間に最初に思い出されるのは、ふだんから顔の見えている別の会社の担当者です。こちらに声がかかったときには、すでに相見積もりの一社にすぎず、条件も相手のペースで決まっている。つまり勝負は、商談が始まる前についています。私たちが接点を切らさないのは、この「思い出される順番」を上げるためです。
例え話:「借りたいときだけ連絡してくる知人」になっていないか
何年も音沙汰のなかった知人から、突然「お金を貸してほしい」と連絡が来たら、どう感じるでしょうか。頼みの内容を聞く前に「自分は都合のいい相手なのか」と、距離を置きたくなるはずです。案件のあるときだけの営業連絡は、お客様から見ればこれと同じ構図です。逆に、ふだんから近況をやり取りしている友人の相談なら、まず話を聞こうと思えます。連絡の受け取られ方は、内容そのものより「それまでの接点の積み重ね」で決まるのです。
接点は「売り込み」ではなく「役立つ情報」でつくる
では、案件がない時期に何を送ればいいのか。答えは「相手の課題解決につながる情報」です。CCでは、次の4種類を接点づくりに使っています。
- 業界動向——相手の業界で今起きている変化・規制・繁忙の波
- 他社事例——社名を伏せた、似た課題の解決パターン
- 現場情報——スタッフや売り場から拾った生の声
- ノウハウ——自分たちで試してうまくいった手順ややり方
自社の新サービス案内「だけ」を送り続けるのは、接点ではなく広告です。送る前に確かめる基準はひとつ、「この情報で、相手の仕事は少しでも前に進むか」です。
CCの現場のリアル——「現場のライブ感」を届ける
CCの営業は、派遣先やイベントの現場を巡回したら、頼まれていなくても、写真・現場のコメント・スタッフの声・お客様の反応をまとめてご担当者に送ります。オフィスにいるご担当者が一番手に入れにくいのが、この「現場のライブ感」だからです。「昨日の現場で、スタッフがこんな声かけの工夫をしていました」という一通は、売り込みがゼロでも喜ばれる接点になります。特にエンタープライズ(大手企業)のお客様ほど、一般論ではなく、こうした現場に近い一次情報を求めています。
良い商談は、「次」が決まっている商談
接点づくりは、商談の場でもできます。CCが定義する良い商談は「盛り上がった商談」ではなく、終わったときに「次に何をするか」が決まっている商談です。「来月、現場のレポートを持ってご報告に伺います」と、次の接点をその場で確定させてしまえば、あとから連絡のきっかけを探す必要がなくなります。
近づきすぎない——距離感も設計する
一方で、近づけば近づくほどいい、というものでもありません。仕事の話がなくても、食事や別の話題で関係を深めることはあります。ただし、仕事の相手としての一定の距離感は保ちます。目的は仲良くなることではなく、課題が生まれた瞬間に「最初に相談される位置」にいることだからです。
その連絡は、お客様の「その先の人」まで届く
私たちが届けた業界動向が、ご担当者の企画書の一行になり、その会社のサービス改善につながり、最終的にはその先にいるお客様やスタッフのもとへ届くことがあります。接点づくりは、営業のテクニックである前に「その先の人」の役に立つ行為です。だから一方的な売り込みよりずっと長く続けられて、感謝もされます。
今日からできる、たった1つのこと
3か月連絡していないお客様を1社見つけて、役立つ情報を1通送る
メールの送信履歴を開き、3か月以上やり取りが空いているお客様を1社見つけます。次に、その会社の業界ニュースを1本読みます。そして「◯◯という記事を拝見して、御社を思い出しました。△△の動きは影響がありそうでしょうか」と3行で送ってください。売り込みの一文は入れない——それだけで、切れかけた接点は今日から再開できます。
まとめ
関係は、案件のない時間に育ちます。役立つ情報で接点を切らさず、商談は「次」を決めて終える。近づきすぎず、それでも「思い出される順番」の一番前にいる。用事がなくても連絡できる営業が、課題が生まれた瞬間に選ばれる営業です。
関係を育てる技術の全体像は既存顧客との関係構築、一度断られた相手との接点は営業で断られた後のフォロー、送る中身のつくり方は営業が現場を見る理由へ。

