成果が出ないとき、人ではなく構造を見る|属人を責めないマネジメント

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成果が出ないとき、人ではなく構造を見る|属人を責めないマネジメント

犯人探しは、
しない。

FIX THE SYSTEM, NOT THE PERSON.

成果が出ないとき、つい「誰の責任か」を探していませんか。

CCのマネジメントは、人を責める前に「仕組み」を見ます。同じミスが起きるのには、たいてい構造の理由があります。

成果が出ない。ミスが続く。そんなとき、真っ先に「誰のせいか」を探していないでしょうか。この記事は、法人営業に興味がある方や、後輩を持ち始めた若手に向けた実践編です。読み終える頃には、ミスが起きたときに最初に口に出す言葉が変わり、同じミスを二度目から止めるための問いを、自分で立てられるようになります。

犯人探しを始めた瞬間、改善は止まる

「誰が悪いのか」という問いには、必ず人の名前という答えが出ます。そして答えが出た時点で、その場は終わってしまいます。名前を言われた本人は次から事実を小さく報告するようになり、まわりは「自分の番でないこと」に安心する。肝心の、同じミスを生んだ手順や環境はそのまま残ります。だから数か月後、別の人が同じ場所で転びます。私たちCCが人ではなく構造を先に見るのは、優しさのためではなく、二度目を止めるためです。

最初の問いを変えるだけで、話の行き先が変わる 「誰が悪いのか?」 ・答えは人の名前で止まる ・本人は事実を隠すようになる ・同じミスが別の人でまた起きる 改善は、ここで止まる 「なぜ、この構造なのか?」 ・答えは手順や環境で出てくる ・本人が事実を出しやすくなる ・直せば、誰がやっても起きない 改善は、ここから始まる 責める相手を探す時間を、直す場所を探す時間に置き換える
最初の一言が「誰が」か「なぜこの構造か」かで、その後の30分の使い道が変わります。

例え話:同じ角で自転車がぶつかるなら、直すのはミラー

通勤路に、見通しの悪い曲がり角があるとします。そこで月に一度、自転車と歩行者がぶつかる。「不注意な人が多い」と言い続けても、来月また誰かがぶつかります。でもカーブミラーを1枚つけた翌月から、事故はぱたりと止まる。人が入れ替わっても起き続けるなら、原因は人ではなく、その角の見通しにあります。職場のミスも同じで、「誰がやっても起きる形」になっていないかを先に見ます。

ミスが起きたら、問いをこう置き換える

とはいえ、感情が動いているときに正しい問いを思いつくのは難しいものです。だからCCでは、最初に口に出す言葉をあらかじめ決めています。

つい言ってしまう問い置き換える問い
誰がやったの?どの手順で、どこが分かれ道でしたか?
なんで確認しなかったの?確認する時間は、どこに入っていましたか?
前も言ったよね?前と同じ形で起きたのは、なぜでしょう?
次から注意して次は、どこを変えれば起きませんか?

右の列に共通しているのは、答えが「人の名前」ではなく「場所」で返ってくることです。場所さえ分かれば、直せます。

現場のリアル:同じ遅刻報告が3回続いた日

以前、ある派遣先で、スタッフの遅刻連絡が現場に届くのが遅れる、ということが3回続きました。最初は本人の連絡不足に見えました。けれど手順をたどってみると、連絡先が「現場の責任者」と「CCの担当者」の2つあり、どちらに先に入れるかがマニュアルに書かれていなかった。スタッフは毎回どちらかを選び、選んだ側でだけ情報が止まっていたのです。私たちが直したのは人ではなく、連絡先を1つにまとめたことでした。それ以降、同じ遅れは起きていません。

構造を直しても繰り返すなら、そこで適性を考える

もちろん、何でも仕組みのせいにするわけではありません。構造を直したうえで、それでも同じ問題が繰り返される場合は、そこで初めて本人の適性を考え、配置を変えます。これは切り捨てではなく、その人が力を出せる場所へ移すための判断です。ただし、どの配置になっても本人のスキルアップは必ず求めます。「構造を先に見る」は、個人が伸びなくていいという意味ではありません。

失敗は、結果ではなくプロセスで見る

もう1つ、私たちが評価のときに外さない基準があります。失敗を結果だけで判断しないことです。まず「どういう順番で考えて、その判断をしたのか」を聞きます。結果が悪くても考え方に筋が通っていれば、その人は次に当てられる。逆に結果が良くても、根拠のない賭けだったなら、そのやり方は次に大きな事故になります。

失敗も成功も、結果とプロセスの両方で見る プロセス(考え方) 結果が悪い 結果が良い 筋が 通っていた 運や勢いに 頼っていた 評価する失敗 同じ考え方で、次は当たる 一番良い形 やり方をチームに配れる 直す場所がある失敗 考える順番から作り直す 一番あぶない成功 次に大きな事故になる
一番あぶないのは、右下——たまたま当たった成功です。

育て方は、ティーチング3・コーチング7

部下や後輩に対しては、教える3・問い返す7を基本の比率にしています。「どうしたらいいですか」と聞かれたら、まず「どうしたら良いと思う?」と返す。ただし、知識がなくて答えが出ないところは、そのまま教えます。考える材料を持っていない人に問い返すのは、育成ではなく放置だからです。

育てる比率は、ティーチング3:コーチング7 ティーチング 3 コーチング 7 知識がない部分 手順・用語・前提は そのまま教える 答えを出せる部分 「どうしたらいいですか?」には 「どうしたら良いと思う?」と返す
問い返すのは7割。残り3割は、迷わせずに教えます。

挑戦も同じ設計です。コストとお客様の状況を見て「失敗しても致命傷にならない状態」を作ってから任せます。ただし、お客様に確実に迷惑がかかることはやらせません。お客様を、部下の実験台にはしない——ここだけは例外なしです。

構造を直す目的は、その先にいる人のため

仕組みを直すのは、社内の空気を良くするためではありません。連絡の道すじが1本になれば、現場のスタッフは迷わずに動けます。スタッフが迷わなければ、売り場は予定どおりに開き、その先にいるお客様の買い物が滞りません。逆に、犯人探しをしている30分のあいだ、現場では誰も判断できないまま時間が過ぎていきます。誰を責めるかではなく、どこを直すか。その差は、必ず現場の外側まで届きます。

連絡の道すじ 仕組みを直す人 迷わずに動ける現場
直すのは人ではなく、人が通る道です。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

直近1週間の小さなミスを1つ選び、「どこを変えれば起きなかったか」を1行で書く

自分のミスでも、まわりで見たものでもかまいません。1つ選んだら、原因を人ではなく場所で書きます。「確認する時間が予定に入っていなかった」「連絡先が2つあった」——このくらい具体的でいい。書けたら、その1行を明日、関係する人に見せてください。責める言葉が1つも入っていない報告は、必ず受け取ってもらえます。

まとめ

成果が出ないとき、最初の問いを「誰が悪いのか」から「なぜこの構造なのか」へ置き換える。それだけで、話は止まらずに前へ進みます。構造を直してもなお繰り返すなら適性を考え、失敗は結果ではなくプロセスで見る。人を責めないのは優しさではなく、二度目を確実に止めるための、いちばん速いやり方です。

目標そのものの立て方は営業マネジメントの基本、新人への渡し方は新人営業の育て方、自分の数字が苦しいときは数字に疲れたらにまとめています。