売上トップ=リーダーではない|熱狂を生み出せる人を選ぶ

グラフ資料を囲んで検討する手元
  1. 営業コラム
  2. 営業
  3. 営業マネジメント
  4. 売上トップ=リーダーではない|熱狂を生み出せる人を選ぶ

売上トップ=リーダーではない|熱狂を生み出せる人を選ぶ

リーダーは、
売上トップじゃない。

WHO LEADS THE TEAM.

「一番売る人」がリーダーにふさわしい——本当に、そうでしょうか。

CCがリーダーにしたいのは、数字が一番の人ではなく「熱狂を生み出せる人」です。

「一番売る人が、次のリーダー」——多くの会社で当たり前になっているこの選び方を、私たちはあえて疑っています。この記事は、法人営業に興味がある方や、これからチームを任される若手に向けた応用編です。読み終える頃には、良いリーダーの条件を売上以外の言葉で説明できるようになり、自分がリーダーになる日までに何を育てておけばいいかが見えてきます。

一人で売る力と、チームの数字を上げる力は別もの

営業成績が一番の人をリーダーにしたら、チーム全体の数字が下がった——珍しい話ではありません。理由は単純で、この二つはまったく別の能力だからです。一人で売る人は、自分の時間と自分の判断だけを使えばいい。けれどリーダーは、自分ではない5人の時間と判断を動かさなければなりません。私たちCCは、上級の営業を「営業成績が良い人」ではなく「自分以外の出力まで上げられる人」と定義しています。売れる人がリーダーに向かないという意味ではありません。売れることは、リーダーの条件の一部でしかない、ということです。

「一人で売る力」と「チームの出力を上げる力」は別もの 一人で売る力 ・使うのは自分の時間だけ ・決めるのは自分の判断だけ ・成果は自分の数字に出る 伸びるのは、自分の1人分 チームの出力を上げる力 ・動かすのは5人分の時間 ・人が判断できる材料をつくる ・成果は他人の数字に出る 伸びるのは、チームの5人分 リーダーに要るのは、右側の力。売れることは条件の一部でしかない
同じ「営業力」という言葉でも、使う相手が自分か他人かで中身が変わります。

例え話:料理が一番うまい人が、良い店長とは限らない

小さな飲食店を思い浮かべてください。一番おいしい一皿を作るのは、間違いなくベテランの料理人です。ではその人を店長にすれば、店の売上は上がるでしょうか。店長の仕事は、仕込みの段取りを決め、新人にレシピを渡し、混む時間帯に誰をどこへ置くかを決めることです。自分がずっと厨房に立ちっぱなしでは、店は回りません。「一番うまく作れる」ことと「店全体をおいしくする」ことは、別の力なのです。

CCがリーダーに求めるのは「熱狂を生み出せる人」

では何を見るのか。私たちがリーダーに選びたいのは「熱狂を生み出せる人」です。熱狂とは、声が大きいことでも、テンションが高いことでもありません。まわりが「この人と一緒に、この仕事をやりたい」と思う状態のことです。そしてその状態を作れる人には、必ず3つの持ち物があります。

熱狂を生む人が、必ず持っている3つ 1 思想 何のために この仕事をするのか 2 こだわり ここだけは譲らない、 という具体的な一線 3 一貫性 機嫌や相手で 言うことが変わらない
思想・こだわり・一貫性。この3つがそろった人の言葉は、部下の中に残ります。

思想は「何のためにこの仕事をするのか」という自分なりの答え。こだわりは「ここだけは譲らない」という具体的な一線。一貫性は、機嫌や相手によって言うことが変わらないことです。どれも研修で配れるものではなく、自分で言葉にして初めて持てるものです。

「誰にでも合わせられる人」より「偏っている人」

意外に思われるかもしれませんが、私たちは多少偏りのある人を歓迎します。誰にでも合わせられるけれど、何を大切にしているのかが分からない人より、「自分はこうしたい」と言える人。人間臭くていいのです。角の取れた正論より、その人の体温がある言葉のほうが、人は動きます。ただし偏りは、他人の話を聞かないこととは違います。自分の軸を持ったうえで、部下の反論を最後までさえぎらずに聞ける——この両立ができる人を、私たちは探しています。

ただ1つ、ブレてはいけないもの

偏っていていいと言いましたが、例外が1つだけあります。顧客志向です。私たちの言う顧客志向は、お客様の言うことを何でも聞くことではありません。お客様を深く知り、自分の意思を持ち、お客様と自社の双方を勝たせることです。ここが揺れるリーダーの下では、チームは「今月の数字のために、来年の信頼を売る」判断を始めます。ブレない軸が1本あるからこそ、他の部分は偏っていても大丈夫なのです。

現場のリアル:CCの評価は、4つを並べて見る

熱狂という言葉は、放っておくと精神論になります。だから私たちは、営業を評価するとき、次の4つを必ず横に並べて見ます。

見る指標そこで分かること
売上今期、どれだけ結果を出したか
リピート率同じお客様から二度目の依頼が来たか
顧客満足度納品後も選ばれ続ける状態を作れたか
社内評価まわりの出力を上げたか、削ったか

強引に押し切れば、短期の売上だけは上がります。けれど同じお客様から二度目の依頼が来なければ、それは売れたのではなく、関係を使い切っただけです。4つを並べた瞬間に、「たくさん売った人」と「長く支持された人」の違いが数字で見えるようになります。

優秀な人が辞めることを、負けとは呼ばない

私たちは、優秀な社員が「もっと大きな挑戦をしたい」と言って会社を出ていくとき、強く背中を押します。負けだと考えるのは、その人に明確な役割を渡せないまま辞められてしまった場合です。役割を作る起点は、会社の都合ではなく、いつもお客様の課題に置きます。「この課題を解くには、こういう役割の人が要る」——そこから席を作るので、席には必ず意味があります。

熱狂の先にいるのは、お客様と現場のスタッフ

リーダーが熱狂を生むのは、社内を盛り上げるためではありません。チームの出力が上がると、提案が速くなり、現場のスタッフは何をすべきか迷わなくなり、最後にお客様の売り場が良くなります。逆に、リーダーの言うことが日によって変わるチームは、社内の確認だけで半日を使い、その分だけお客様への返事が遅れます。熱狂は社内の空気の話ではなく、その先にいる人へ届くまでの速さの話なのです。

熱狂は、社内で止まらずお客様まで届く リーダーの軸 判断の基準がそろう チームの出力 提案が速くなる 現場のスタッフ 迷う時間が減る お客様 売り場が良くなる 軸が揺れると、この道すじのどこかで必ず時間が失われます
軸→チーム→現場→お客様。熱狂は必ずこの順番で外へ出ていきます。
軸のあるリーダー 出力が上がるチーム
リーダーの仕事は、自分が走ることではなく、まわりを走らせることです。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION

尊敬している人を1人選び、その人が「絶対に譲らないこと」を1つ書き出す

上司でも、先輩でも、前の職場やアルバイト先の人でもかまいません。頭に浮かんだ1人について、「この人がどんなときも譲らなかったこと」を思い出し、1行で紙に書いてください。書けたら、その下に「自分が譲りたくないこと」を1行だけ足します。この2行が、あなたの軸の最初の材料です。軸は生まれつき持っているものではなく、こうして言葉にした瞬間から育ち始めます。

まとめ

リーダーは、一番売る人ではありません。思想・こだわり・一貫性を持ち、まわりに「この人とやりたい」と思わせられる人です。偏っていていい。ただし顧客志向だけはブレない。評価は売上だけでなく、リピート率・顧客満足度・社内評価まで並べて見る。私たちが探しているのは、自分の数字だけでなく、まわりの出力まで上げられる仲間です。

仕組みのつくり方は営業マネジメントの基本、うまくいかないときの見方は成果が出ないとき、人ではなく構造を見る、人の育て方は新人営業の育て方へ。