数字に疲れたら|売上を4つに分解して、直す場所を見つける

数字に疲れたら|売上を4つに分解して、直す場所を見つける
数字は、あなたの
成績表じゃない。
NUMBERS ARE A MAP
「今月も未達だった」。数字を見るのが、こわい。
——その苦しさは、本気で数字に向き合ってきた証拠です。
でも数字は、あなたを裁く成績表ではありません。どこを直せばいいかを教えてくれる地図です。
「今月も未達でした」——上司への報告が、この一言で終わっていないでしょうか。
この報告がもったいないのは、聞いた側も、言った本人も、次に何をすればいいのか分からないまま終わるからです。
数字が苦しいのは、多くの場合「数字が悪いから」ではありません。数字が、かたまりのまま置かれているからです。300万円の未達は重すぎて持ち上がりませんが、4つに割れば、持てる大きさになります。
「未達」の一言を、4つに割る
売上は、いきなり生まれません。電話をかけて、会う約束が取れて、提案して、そのうちいくつかが契約になる。この4つの段を通って、最後に残ったものが売上です。
この図の大事なところは、どの段でも人は減るということです。600件かけて24件しかアポにならないのは、あなたの実力の問題ではなく、そういう構造だからです。減ること自体は失敗ではありません。
見るべきなのは「減ったかどうか」ではなく、どの段で、いつもより多く減ったか。ここが分かれば、直す場所は1つに絞れます。
最初に覚える言葉は、4つだけ
数字の話がとっつきにくいのは、言葉のせいでもあります。ここだけ押さえれば十分です。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 単価 | 1件の契約でいくらになるか | 1件50万円 |
| アポ獲得率 | かけた電話のうち、会う約束になった割合 | 600件かけて24件=4% |
| 成約率 | 提案したうち、受注できた割合 | 20件提案して6件=30% |
| KPI | 目標に届くために毎日数える行動の数 | 「1日30件かける」 |
同じ「成約3件」でも、直す場所は正反対
ここからが本題です。2人の営業が、どちらも成約3件で目標6件に届かなかったとします。同じ結果ですが、直すべき場所はまったく違います。
Aさんは、架電もアポも提案も目標を超えています。それでも成約が3件。つまり提案24件に対して成約3件=成約率12.5%で、標準の30%を大きく下回っています。詰まっているのは商談の中身です。ここで架電を増やしても、穴の空いたバケツに水を足すだけになります。直すのは聞き方と提案の順番です。
Bさんは逆です。提案12件で成約3件=成約率25%なので、商談の力は悪くありません。足りないのは入口の量で、架電が目標の半分しかない。ここでトークを磨いても、成果はほとんど動きません。直すのは架電のやり方と誰にかけるかです。
2人とも「今月も未達でした」と報告しました。でも、必要な打ち手は正反対です。「未達」という言葉には、この違いがまったく入っていません。だから、その一言で終わらせてはいけないのです。
どこを直すかは、根性ではなく「率」で決まる
毎回2人分の表を作る必要はありません。判断はこの順番でつきます。
順番が大事です。先に見るのは「率」、次に「量」。率が落ちているのに量を増やすと、断られる回数だけが増えて、消耗します。数字に疲れる人の多くは、この順番が逆になっています。
そして、量も率も基準を超えているのに届かないときは、あなたの動き方ではなく相手選びと単価の問題です。これは一人で抱える話ではないので、上司に数字を見せて相談してください。
CCは、数字を「詰める」ためには使わない
私たちが数字を見るのは、誰かを追い込むためではありません。感情は受け止める。ただし、改善するときはファクトを見る——これがCCの考え方です。
「今月きつかった」という気持ちは、そのまま受け止めます。事実だからです。でも、そこから先を気持ちのまま進めると「もっと頑張ります」で終わってしまい、来月も同じ景色になります。だから最後は、率と量という動かせない事実に戻します。
もう一つ、私たちが大事にしているのは人ではなく構造を見るという考え方です。同じ場所で何人もつまずくなら、原因はその人ではなく、そこにある仕組みのほうです。くわしくは成果が出ないとき、人ではなく構造を見るで書いています。目標の立て方そのものについては営業マネジメントの基本もどうぞ。
それでも苦しいときは、数字ではなく体のサインを見る
ここまで「数字を道具にしよう」と書いてきましたが、道具を持つ前に休むべき状態もあります。次のサインが続いているなら、分解より先に、上司や周りの人に話してください。
- 眠れない、食べられないなど、心と体の不調が続いている
- お客様に対して、自分でも不誠実だと思う売り方を求められている
- 何を試しても、話を聞いてもらえる相手がまったくいない
数字は改善できますが、健康は取り戻すのに時間がかかります。守る順番は、健康・お客様・数字です。この順番だけは、入れ替えません。
今日からできる、たった1つのこと
先月の自分の数字を「架電・アポ・提案・成約」の4つに分けて紙に書き、目標より低い段を1つだけ丸で囲む。
電卓もツールも要りません。10分あれば終わります。丸をつけるのは1つだけにしてください。2つ以上囲むと、また「全部ダメだ」に戻ってしまいます。囲んだ1つが、来週あなたが直す場所です。数字がまだ手元にない人は、今週の架電数だけでも数えてみてください。数えた瞬間から、数字は敵ではなく道具になります。
まとめ
数字が怖いのは、かたまりのまま見ているからです。架電・アポ・提案・成約の4つに割れば、「自分がダメ」という話は「どこを直すか」という話に変わります。
- 「未達」の一言で終わらせず、4つの段に分けて書き出す
- 先に「率」を見て、次に「量」を見る(順番を逆にしない)
- 率が低いなら商談の中身、量が足りないなら架電とリストを直す
- 心と体のサインが出ているときは、分解より先に人に話す
数字は、あなたを評価するために置かれているのではありません。次の一手を教えてくれる地図です。読み方さえ分かれば、見るのが少しずつ怖くなくなります。
「自分は営業に向いていないのかも」と感じている方は、営業に向いている人とは?もあわせてどうぞ。
私たちCCコミュニケーションズは、数字を詰めることで人を動かそうとしません。数字は、次の一手を決めるために全員で見るものだと考えています。そんな進め方に興味を持っていただけたら、まずは私たちの仕事をのぞいてみてください。

