マーケティング戦略の作り方|「やらないこと」を決める

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マーケティング戦略の作り方|「やらないこと」を決める

戦略って、
“やらない”決断?

HOW TO MAKE STRATEGY

戦略を立てろと言われて、あれもこれもやりたくなり、結局ぼやけていませんか。

戦略の核心は“やらないことを決める”こと。限られた力を一点に注ぎます。

「戦略を立てよう」と言われると、なんだか壮大で難しそうに聞こえます。でも、マーケティング戦略の本質は、意外なほどシンプル。それは「やることを増やす」ことではなく、「やらないことを決める」ことなのです。

先に結論から。戦略とは、限られた資源(人・お金・時間)を「どこに集中するか」を決め、同時に「何をやらないか」を決めること。全部やろうとすると、力が分散して、結局どれも中途半端になります。なぜそう言えるのか、見ていきましょう。

戦略とは?「やらないこと」を決めること

戦略と聞くと「あれもこれもやる、壮大な計画」を想像しがちですが、逆です。戦略の核心は「捨てる」こと。使える人・お金・時間には限りがあるからこそ、「どこに集中し、何を捨てるか」を決めるのが戦略なのです。

「やることリスト」は簡単に作れます。難しいのは「やらないことリスト」。魅力的に見える選択肢を、あえて手放す。この“捨てる勇気”こそが、戦略の本質です。何をやるかより、何をやらないか。ここが決まると、力が一点に集中します。

やることリスト新しい広告を出すSNSを始める新商品を考えるすぐ書けるやらないことリスト勝てない市場は追わない効果の薄い媒体はやめる今週はこれ以外やらない勇気がいる足すのは簡単。手放すと、力が一点に集まります。
難しいのは、書き足すほうではありません。

なぜ「全部やる」は失敗するのか

分散させるか、集中させるか全部やる力が分散→薄い集中する力が一点→突き抜ける

「あれもこれも」と手を広げると、一つひとつに使える力が薄まります。虫めがねで日光を集めると紙が焦げますが、広げたままでは何も起きないのと同じ。力は、一点に集めてこそ、突き抜けるのです。

特に、大企業に比べて資源の限られる会社ほど、集中が命。大手と同じ土俵で「全方位」に戦えば、必ず物量で負けます。勝てる一点にすべてを注ぐからこそ、小さくても勝てる。だから「やらないこと」を決めるのは、弱者の戦略でもあるのです。

限られた資源を、どこに集中するか

では、どこに集中すればいいのか。判断のよりどころは、やはり「顧客」と「自社の強み」です。「いちばん役に立てる相手は誰か」「自社がいちばん勝てる領域はどこか」。ここが交わる一点に、資源を集中させます。

逆に、「大きそうな市場だから」「流行っているから」と、強みの外に手を出すと、たいてい失敗します。集中すべきは、“儲かりそうな場所”ではなく“自社が勝てる場所”。ここを見極めるのが、戦略づくりのいちばん大事な判断です。

独りよがりになる誰も求めていないここに集中する資源を全部注ぐ一点手を出さない大手と正面からぶつかる物量で負ける自社が勝てる顧客が求めている
大きい市場ではなく、勝てる一点を選びます。

戦略の作り方(4つの問い)

戦略は、次の4つの問いに順番に答えていくと、形になります。

いまめざす姿「この道で行こう」と決めてから走る
走り出す前に、行き先と道順を決めます。
  1. 誰に:いちばん役に立てる相手は誰か。(ターゲットを絞る)
  2. どんな価値を:その人に、何を提供するのか。
  3. なぜ自社が選ばれるか:他ではなく自社である理由(USP)。
  4. どこに集中し、何をやらないか:資源を注ぐ一点と、捨てるもの。

この4つが決まれば、日々の施策がブレなくなります。「これはやる/やらない」を、戦略に照らして判断できるからです。選ばれる理由の作り方は「USPの作り方」もどうぞ。

施策が「一つのストーリー」でつながる

良い戦略があると、個々の施策がバラバラでなく、一本の線でつながります。「誰に・何を・なぜ」が定まっているから、広告も、記事も、接客も、すべて同じ方向を向く。この“つながり”が、じわじわと強い印象を積み上げます。

逆に戦略がないと、施策が単発の思いつきになり、方向がバラバラに。がんばっているのに、印象が積み上がりません。複数の施策が、一つのストーリーとしてつながっている——これが、戦略があるかどうかの見分け方です。ブランドづくりの視点は「差別化・ポジショニング」もどうぞ。

伸ばす手立ては、3つしかない

「やらないこと」を決めたあと、次に迷うのが「では、どこに集中するのか」です。ここで手が止まるのは、打ち手が無限にあるように見えるからです。でも実際には、売上を伸ばす手立ては3つしかありません。

① お客様の数 新しく取引が始まる 会社・登録スタッフ いちばんコストが かかる打ち手 × ② 1回の大きさ 1社あたりの人数 職種・任せられる範囲 いまの関係の 中にある × ③ 回数・続く長さ 契約更新・追加発注 定着・再応募・紹介 いちばん 見落とされる 3つとも「1割ずつ」よくすると 全体では、およそ1.33倍になる ※足し算ではなく掛け算だから。数値は計算例です
売上を伸ばす手立ては3つだけ。①だけを見ていないか。

①お客様の数を増やす。②1回あたりの取引を大きくする。③取引が続く回数を増やす。この3つは足し算ではなく掛け算です。だから、それぞれを1割ずつ改善できれば、全体では3割以上になります(あくまで計算例です)。

ここで大事なのは、多くの現場が①だけを見ているということです。新しいお客様を探すのは、いちばんお金も手間もかかる方法なのに、そこにばかり力を入れてしまう。②と③は、すでにある関係の中にあります。つまり、追加のコストがほとんどかからない打ち手です。

3つの軸人材派遣・BPOなら採用なら
① 数新規クライアントの社数/新しく登録するスタッフ応募者の数
② 1回の大きさ1社あたりの稼働人数、任せてもらえる職種の広がり一人ひとりが活躍できる範囲
③ 回数・長さ契約更新、追加発注、別拠点への展開定着、再応募、出戻り、紹介

※表の内容は考え方を示す例です。CCの実績値ではありません。

採用でも構造はまったく同じです。「応募数を増やす」しか打ち手がないと思っていると、広告費だけが増えていきます。けれど、一人ひとりが活躍できる状態をつくること、辞めずに続けてもらうこと、辞めた人が戻ってきたり誰かを紹介してくれたりすること——これらは応募数を増やすのと同じだけ効きます。しかも、こちらのほうがコストは小さい。

KEY POINT

「集中する場所」を決めるとき、①だけを候補にしていないか。

戦略とは「やらないこと」を決めることでした。やらないと決めて空いた余力を、また新規獲得に注ぎ込むなら、結局なにも変わりません。②と③は、いま目の前にある関係の中にあります。まずはそこを見てから、①に予算を足すかを決めます。

新しいことを足す前に、いま持っているものを見る

戦略の相談を受けると、たいてい「次に何を始めるか」の話になります。新しい媒体、新しい広告、新しいSNS。でも、その前に必ず確認したいことがあります。いま持っているものを、使い切っているかです。

会社には、まだ使われていない資産がかなりあります。少し前まで取引があって、いまは止まっているクライアント。登録したまま就業に至っていない求職者。長く稼働している現場との関係。そして、辞めていった人たち。どれも、ゼロから関係をつくる相手ではありません。

  • 取引が途切れたクライアントに、この半年、一度でも連絡しただろうか
  • 登録はしたけれど就業に至っていない人に、別の選択肢を出せているだろうか
  • いま入っている現場から、別の職種・別の拠点の相談を受けられる関係になっているだろうか
  • 辞めた人が「もう一度」と言えるようにしてあるだろうか

新しい施策には、お金と時間と、覚えるための労力がかかります。いま持っているものから取り切るほうが、たいていは早くて確実です。「やらないこと」を決めるのと、「まだ使っていないものを使う」のは、同じ戦略の裏表です。

今日からできる、たった1つのこと

今日からできる、たった1つ

自分の時間の「やらないこと」を決める

戦略思考は、自分の時間で練習できます。おすすめは、「今週、いちばん大事な一つ」を決めて、そのために「やらないこと」を一つ決めること。あれもこれもと欲張らず、一点に集中してみましょう。

「やること」を足すのは簡単ですが、「やらないこと」を決めるのは勇気がいります。でも、それができたとき、成果はぐっと出やすくなります。捨てるからこそ、集中できる。この感覚は、仕事でも人生でも、強力な武器になります。

まとめ

マーケティング戦略とは、限られた資源を「どこに集中するか」を決め、同時に「何をやらないか」を決めること。全部やると力が分散し、どれも中途半端になります。誰に・何を・なぜ選ばれるか・どこに集中するか——この4つを定めると、施策が一本の線でつながる。捨てる勇気が、強さを生みます。

私たちCCコミュニケーションズは、「集中し、やらないことを決める」戦略思考を大切にしています。まずは、私たちの仕事をのぞいてみてください。