新人営業の育て方|「見て学べ」を卒業するOJT

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新人営業の育て方|「見て学べ」を卒業するOJT

「見て学べ」を、
卒業する。

DEVELOP NEW MEMBERS

新人がなかなか育たない——その原因、教え方の“型”のなさかもしれません。

「背中を見て学べ」に頼らない、新人営業の育て方を整理します。

「なんで、こんな簡単なことができないんだろう」——新人の育成を任されて、そう感じたことはありませんか。教えているのに伸びない。自分でやったほうが早い。そう思ってしまう気持ちも分かります。でも、その原因は本人のやる気ではなく、教え方に“型”がないことが多いのです。

先に結論から。新人営業は「背中を見て学べ」では育ちません。やってみせて、一緒にやって、まかせて振り返る——この順番を踏むだけで、育ち方は大きく変わります。しかもこの型は、営業に限らず、どんな仕事の育成にも使えます。

「見て学べ」がうまくいかない理由

ベテランの動きには、長年かけて身につけた「なぜそうするか」が詰まっています。でも、それは外から見えません。新人が見えるのは“結果の動き”だけ。理由が見えないものは、真似できないのです。

たとえば、ベテランが商談中にあえて沈黙をつくったとします。本人には「相手に考える時間を渡す」という意図がありますが、新人には「ただ黙っただけ」に見える。意図を説明されなければ、真似できないどころか「間が空いて気まずかった」という間違った学びになりかねません。「見て学べ」は、教える側が“説明する手間”を省いているだけとも言えます。伸びないのは、新人のせいではないのです。

SHOW & TELL
見せて、理由を語る。

「見て学べ」では、判断の“なぜ”が見えません。やってみせながら「なぜ今こうしたか」を一言そえる。それだけで、相手の中に“判断の引き出し”が一つ増えます。伸びないのは、新人のせいではありません。

なぜ、いまこうしたか=理由を、言葉に
理由を言葉にすると、真似できる

新人が育つ「3ステップ」

新人が育つ「3ステップ」1やってみせる+言葉にするなぜそうしたかを実況する2一緒にやる半分まかせ、隣で支える3まかせて、振り返る結果でなく行動を一緒に見直す

かの有名な「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」と同じ考え方です。順番が大事で、いきなり③のまかせるから始めないこと。まず①でやってみせ、②で一緒にやり、③でまかせる。この階段を飛ばすと、新人は自信をなくします。

特に①で「なぜ今こうしたか」を口に出すことが肝心です。商談の実況中継のように、「今あえて質問を止めたのは、相手が考えていたから」と理由を言葉にすると、見えなかった判断が新人にも見えるようになります。②では、いきなり全部まかせず“半分だけ”渡して隣で支える。③でまかせたあとは、結果を責めず、次に活かす振り返りをセットにします。

まかせる範囲を決めるときの基準は、本人の成長だけではありません。私たちは、お客様を新人の練習台にしないことを前提にしています。失敗しても取り返せる場面は思いきってまかせ、お客様に迷惑がかかる場面は先輩が前に立つ。どこまで渡すかは、「この一件がうまくいかなかったとき、お客様は困るか」で線を引きます。育成は社内の都合で進めるものではなく、お客様への責任を果たしながら進めるもの。この線引きがあるからこそ、新人も安心して挑戦できます。

教えるのは「結果」ではなく「行動」

「今月は数字が足りない」と結果だけを指摘しても、新人は何を直せばいいか分かりません。むしろ「自分はダメだ」と落ち込むだけで、次につながらない。見るべきはその手前の“行動”です。

「アポは何件とった?」「ヒアリングで相手の課題を聞けた?」「提案は課題に沿っていた?」——このように行動へ分解すれば、改善できる場所が具体的に見えます。たとえば「アポは十分とれているのに成約が少ない」なら、問題はヒアリングや提案にある、と当たりがつく。数字は、正しい行動の“結果”としてついてきます。行動を一緒に見てあげることが、いちばんの指導です。

見るのは「結果」でなく「行動」行動を見るアポ・ヒアリング・提案=直せる場所が分かる結果(数字)正しい行動の“あと”についてくる
数字は、正しい行動の“結果”

振り返りの一言で、次が変わる

同行のあと、新人に何と言うか。ここが育成でいちばん差が出る場面です。

NG
先輩

今日の商談、ぜんぜんダメだったな。相手の課題、聞けてなかっただろ。

新人

すみません…。次は気をつけます。

先輩

うん、次はちゃんと聞いてな。

「ちゃんと聞く」が何を指すのか、新人には分かりません。反省だけが残り、行動は変わりません。

GOOD
先輩

今日、相手が「実は人が続かなくて」と言った場面あったよね。あのとき、どうしようと思った?

新人

正直、次に何を聞けばいいか分からなくて、資料の説明に戻ってしまいました。

先輩

そこ、俺も新人のとき同じことしてた。あの場面でひとつだけ使えるのが「と言いますと?」なんだ。次にもう一段だけ深く聞ける。

新人

なるほど、それなら言えそうです。

先輩

じゃあ次の商談で、相手が「実は」と言ったら1回だけ使ってみよう。使えたかどうかだけ、あとで教えて。

責めていません。代わりに、場面・言葉・次にやることが1つずつ具体的に決まっています。

なぜGOODなのか

育成でやることは、評価ではなく「次にできる行動を1つ渡す」ことです。GOODは①具体的な場面を特定し(「実は人が続かなくて」と言われたとき)②本人に考えさせ(どうしようと思った?)③知識が足りない部分だけ教え(「と言いますと?」)④次の1回を決めています。これがティーチング3・コーチング7の実際の形です。NGのように結果だけを指摘すると、新人は「自分はダメだ」と受け取るだけで、明日の商談では同じ場所で止まります。直すのは人ではなく、その場面での手持ちの一手です。

いちばん大事なのは、責めずに「構造」を見ること

うまくいかないとき、つい「本人の努力不足」と考えたくなります。でも、多くの場合は仕組みやサポートの側に原因があります。「教える順番が飛んでいなかったか」「必要な情報を渡していたか」「一人で抱え込ませていなかったか」。

人を責めても、次の新人でまた同じことが起きます。でも構造を直せば、誰が来てもうまくいく仕組みになります。「なぜできないんだ」と問い詰める前に、「どうすればできるようになるか」を一緒に考える。この視点の差が、育つチームと育たないチームを分けます。人ではなく構造を見る考え方は、「成果が出ないとき、人ではなく構造を見る」でくわしく紹介しています。

今日からできる、たった1つのこと

TODAY'S ACTION / 今日の1アクション

直近の同行や打ち合わせから場面を1つ選び、「あのとき、どうしようと思った?」と後輩に聞いてみる。

「今日はどうだった?」では、たいてい「難しかったです」で終わります。代わりに、あなたが実際に見ていた場面を1つ名指ししてください。「相手が◯◯と言ったとき、どうしようと思った?」。本人の答えを聞いてから、足りなかった一手だけを渡します。そして最後に「次の商談で、その1つだけ試してみて」と決めて終わる。5分で終わりますが、これがOJTの3ステップのうち、いちばん飛ばされがちな「振り返り」の実物です。後輩がまだいない方は、自分の商談を同じ問いで振り返ってみてください。育てる側の練習になります。

まとめ

新人育成は、才能や根性の話ではありません。やってみせ、一緒にやり、まかせて振り返る。結果でなく行動を見て、うまくいかないときは人でなく構造を見直す。この型を持てば、教える側も新人も、ぐっと楽になります。「自分が売ること」と「人を育てること」は別のスキル——だからこそ、学ぶ価値があります。

順番を踏めば、人は育つ
GROW TOGETHER
育てる側も、伸びる。

やってみせ、一緒にやり、まかせて振り返る。結果でなく行動を見て、うまくいかないときは人でなく構造を見直す。この型を持てば、教える側も新人も、ぐっと楽になります。

目標の立て方は営業マネジメントの基本、うまくいかない原因の探し方は成果が出ないとき、人ではなく構造を見るにまとめています。

私たちは、こうした「人を育てる力」を一緒に磨いていける仲間を探しています。まずは、私たちの仕事をのぞいてみてください。