求人広告の期待値調整|応募を増やすほど離職が増える罠

机に広げた書類
  1. マーケティングコラム
  2. マーケティング
  3. 施策・実践
  4. 求人広告の期待値調整|応募を増やすほど離職が増える罠

求人広告の期待値調整|応募を増やすほど離職が増える罠

盛りすぎて、
すぐ辞める?

EXPECTATION MANAGEMENT

応募を増やそうと良い面を強調して、入社後にギャップが起きた経験はありませんか。

魅力を伝えることと、正しく期待値を整えることは両立できます。

「もっと応募を集めたい」。採用の現場では、当然の願いです。だから求人広告は、つい会社を魅力的に、良く見せようとします。ところが——応募を増やそうと広告を“盛る”ほど、入社後に人が辞めていく。そんな皮肉なことが、実際に起こります。

先に結論から。採用でも売買でも、成功のカギを握るのが「期待値調整」——相手の期待を、正しい高さに合わせる技術です。良く見せすぎると、入社後のギャップで離職が増える。これは、マーケティング全体に通じる大事な考え方です。

期待値調整とは?「良く見せすぎない」技術

期待値調整とは、相手が抱く“期待”を、実際に提供できるものと一致させることです。魅力を伝えて期待を高めることも大事ですが、それが実際より高すぎると、あとで「思っていたのと違う」というガッカリ(ギャップ)を生みます。

満足とは、突きつめると「実際の体験」−「事前の期待」です。どんなに良いものでも、期待が高すぎれば不満になり、期待が適切なら同じ体験でも満足になる。だから、期待を“上げる”だけでなく、“正しく合わせる”ことが重要なのです。

満足 = 実際の体験 - 事前の期待期待を上げすぎた期待どおり期待より良かったマイナスゼロプラス不満満足感動
同じ体験でも、事前の期待で結果が変わります。

たとえば、通販のグルメ写真を思い浮かべてください。写真では山盛りだったのに、届いた実物が小ぶりだと、味は悪くなくても「損した」と感じます。逆に、控えめな写真より実物が立派なら、同じ商品でも満足度は跳ね上がる。求人広告も同じで、“写真の盛り方”ひとつで、入社後の満足は先に決まってしまうのです。

応募を増やすほど、離職が増える罠

期待が高すぎると、ギャップになる良く見せすぎ → 期待MAX入社 → 「聞いてた話と違う」→ 早期離職正直に伝える → 適切な期待入社 → 「思ったとおり」→ 定着・活躍

求人広告で「高収入!アットホーム!未経験でも安心!」と良い面ばかり並べると、応募は増えます。でも、期待をふくらませて入社した人は、現実とのギャップに直面します。「思っていた収入と違う」「意外と大変」——そして、早期離職につながるのです。

つまり、応募数(入口)を増やすための“盛り”が、定着(出口)を壊している。これは前回の「部分最適の罠」(部分最適と全体最適)そのものです。応募を増やすほど離職が増えるなら、それは成功ではなく、コストの垂れ流しなのです。

なぜギャップが生まれるのか

ギャップの原因は、「伝えたこと」と「実際」のズレです。採用したい一心で、良い面を強調し、大変な面を隠す。すると、応募者は“良いことだけの会社”を期待して入ってきます。現実には大変なこともあるのに、です。

怖いのは、これが「嘘をついたつもりはない」のに起こること。良いことは事実でも、大変なことを言わなければ、相手は勝手に「大変なことはない」と期待します。“言わなかったこと”も、期待をつくる。だから、伝える情報のバランスが大切なのです。

先に下げて合わせる伝えた期待実際ずれる前に、高さをそろえる
ずれは、起きてから直すより先に合わせます。

「魅力を伝える」と「正しく期待させる」を両立する

「じゃあ、大変なことばかり書けばいいの?」——それも違います。魅力を伝えなければ、そもそも興味を持ってもらえません。目指すのは、「魅力を伝える」と「正しく期待させる」の両立です。

具体的には、良い面を伝えつつ、「大変な面」と「それにどう向き合えるか」もセットで書く。「最初の3か月は覚えることが多くて大変。でも先輩がついて支えます」のように。魅力と現実、両方を正直に。これが、入社後のギャップを防ぎます。期待値の調整は、ミスマッチ防止(採用のミスマッチを防ぐには)の核心でもあります。

良く見せた広告正直に伝えた広告応募の数多い少し減る入社したあと聞いた話と違う聞いたとおり半年後採り直しでコスト増定着して活躍数は減っても、残る人の顔ぶれが変わります。
入口の数と、出口の結果は別ものです。

正直に書くと、むしろ「合う人」が残る

「大変な面を書いたら、応募が減るのでは?」——たしかに、数は少し減るかもしれません。でも、減るのは“良い面だけを期待していた、合わない人”です。大変さを知ったうえで「それでもやりたい」と応募する人は、覚悟が違います。

結果として、応募数は減っても、定着し、活躍する人が増える。入口の数字より、出口の結果が良くなるのです。正直な期待値調整は、遠回りに見えて、いちばん確実に良い採用につながります。「良く見せる競争」から降りる勇気が、じつは強いのです。

これは採用に限らず、お客様との関係でも同じです。私たちの営業現場でも、納期や効果を実際より良く伝えれば、一度は契約が取れても、ギャップに気づいたお客様は静かに離れていきます。逆に「ここまではできます、ここからはできません」と線を引いて伝えると、その正直さが信頼になり、長く続く取引に変わる。期待値調整とは、目先の数字のためではなく、その先にいるお客様と働く仲間を、ガッカリから守るための技術なのです。

今日からできる、たった1つのこと

今日からできる、たった1つ

ギャップを感じた体験を振り返る

期待値の力は、自分の体験で分かります。おすすめは、「広告やクチコミで期待しすぎて、ガッカリした体験」を一つ思い出してみること。逆に「期待していなかったのに、良くて満足した」体験も。

満足も不満も、“事前の期待”で決まっていたと気づくはずです。「相手の期待を、正しい高さに合わせる」という視点は、採用だけでなく、営業でも、日々の約束事でも役立ちます。過度な期待をあおらないことが、信頼を守るのです。

まとめ

期待値調整とは、相手の期待を正しい高さに合わせる技術です。良く見せすぎると、入社後のギャップで離職が増え、応募を増やすほど損をする“罠”に陥ります。魅力を伝えつつ、大変な面も正直に。すると数は減っても、合う人が残り、定着します。過度な期待をあおらないことが、良い採用への近道です。

私たちCCコミュニケーションズは、「正直に、正しく期待を伝える」ことを大切にしています。まずは、私たちの仕事をのぞいてみてください。