通信への接続とSPIN話法|すぐ携帯の話をしない|家電量販店研修 第5章

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通信への接続とSPIN話法|すぐ携帯の話をしない|家電量販店研修 第5章

携帯の話は、
いちばん最後。

DO NOT RUSH TO THE PHONE.

家電で納得してもらってから
SPINは、気づいてもらう質問

家電から通信へつなぐ章です。この研修でいちばん大切なルール——すぐに携帯の話を具体的にしない——と、SPIN話法の正しい使い方をまとめます。とくにI(影響)は契約の話ではなく、差額を見せて放置の影響に気づいてもらう段階です。

この章で伝えたいこと

家電から通信へつなぐ章です。研修全体でいちばん大切なルールが、ここにあります。そのうえでSPIN話法を、正しい考え方で身につけます。

④ 値引きへの興味付け

商品提案が終わったら、値引きの話で興味を引きます。

「メーカー指定の家電商品を、唯一安くできる方法があるんですよ!」

ここでまだ、通信の話は出しません。「安くなる方法がある」だけを置きます。

⑤ 最重要ルール:すぐに携帯の話を具体的にしない

× やってはいけない 家電の話が浅いまま通信へ 「家電を分かっていないのに携帯を売ろうとしている」 ○ 正しい流れ 家電で納得 → 条件として通信 「この人が言うなら、聞いてみようかな」 最重要ルール:すぐに携帯の話を具体的にしない 先に携帯を出すと、それまでの家電の会話ごと「売るための前置き」に見えてしまう。 お客様が警戒するのは通信の話そのものではなく、順番が逆であること。
この一線を越えるかどうかで、その日の結果が変わる。

家電の知識がない状態で通信の話に入ると、お客様の頭の中にはこう浮かびます。「この人、家電のことを分かっていないのに携帯を売ろうとしている」。ここで信頼が切れます。

だから順番は決まっています。家電の商品について十分に会話する → お客様との関係ができる → そのうえで、家電がお得になる条件として通信につなぐ。

⑥ 着座トーク

「量販店で通信費の乗り換えをして、お得にお買い物されている方がいるんですけど、過去にそういうことをされたことはありますか?」

興味を示されたら、具体的なメリットを見せます。

「家電量販店だと、お客様と条件が合えば最大で◯◯円の値引きを家電商品に当てられて、お得に帰られる方がいらっしゃいます。昨日も、この同じ商品をほとんどタダで購入された方がいらっしゃいました!」

そのうえで、決定権をお客様に渡します。

「聞くだけならタダなので、どういう条件か聞いてみて、いいと思ったらやっていただいて、少しでも不審に思ったら断っていただいて大丈夫です! 今お席をご用意します!」

「聞くだけタダ・良ければやる・不審なら断ってOK」。この3点を先に伝えると、着座率が変わります。無理に座らせないでください。
※ 金額は、案件・キャンペーンの条件に合わせて差し替えてください。

着座したら、まず誤解を先に解きます。多くのお客様は「機種を売られる」と思って身構えています。

「先ほどお話しした条件というのが、スマホ自体は変えずに、中身の料金プランだけをお得にするやり方でして。今はどちらの携帯会社をお使いですか?」

座ってから、はじめて数字を出す
立ち話で金額を出しても、頭に入らない。

SPIN話法

先に、考え方を固定します。SPINは、契約を取るための質問ではありません。お客様自身に気づいてもらうための質問です。

SPIN ― 契約を取る質問ではなく、気づいてもらう質問 SSituation現状いま、どうなっている?PProblem問題その状態に、問題はない?IImplication影響そのままだと、どうなる?NNeed-Payoff解決後解決したら、どうなる? この4語だけは、必ず言えるようにする
順番に並んでいる。飛ばすと、次が効かない。

S|現状を聞く

「どちらの携帯会社をお使いですか?」
「最近、通信料金の見直しっていつやられました?」
「実際に、いくらで何GBですか?」

必要に応じて、家族の回線数・Wi-Fiの有無・使い方も確認します。ここではまだ「高いですね」などの評価を入れません。事実が集まるほど、あとのIが具体的になります。第3章で聞いた「何人で暮らしているか」が、ここで効いてきます。

P|問題を認識してもらう

(料金が高い場合)「え、高くないですか? 安くしたいと思ったことはないですか?」
(すでに安い場合)「お得に使われてますね! どのくらいの周期で見直してるんですか? 何をきっかけに変更されたんですか?」

こちらが「問題だ」と決めつけないこと。お客様の口から問題が出てくるのが理想です。すでに問題を感じている方には、その中身を深掘りします。

I|そのままにした場合の影響を、具体化する

この研修で特に大切なところです。Iは契約の話ではありません。お客様の使い方なら本来いくらになるのかを、具体的な数字にする段階です。

I(影響)は、契約の話ではなく「差額」の話 1本来いくらか「お客様の使い方なら、本来は◯◯円くらいなんです」2これまでの差「今までと同じ期間だと、これだけの額になります」3放置の確認「これだけ差が出ますが、そのままで良いですか?」 詰め寄らない。事実だけを淡々と見せて、もったいなさに気づいてもらう。
数字は必ず、根拠のある現実的な額で出す。

目的は、今の状態を放置した場合の影響を、お客様自身に認識してもらうことです。詰め寄る口調にはしません。差額という事実を淡々と見せて、もったいなさに気づいてもらいます。数字は必ず、根拠のある現実的な額で伝えてください。

N|解決したときのメリットを認識してもらう

「今日まとめてお手続きして、来月からの料金がこの金額になったら嬉しいですか?」

ここで「それなら嬉しい」というお客様自身の言葉を引き出します。自分の口で「嬉しい」と言った方は、そのあと前に進みやすくなります。

⑦ クロージング

こちらから契約を迫るのではありません。お客様自身に「何が解決すればやるのか」を考えてもらいます。

「何が引っかかっていますか?」
「何が解決できれば、今日やっていただけますか?」

条件が出てきたら、それを一緒に解消するだけです。押し売り感がなく、納得のうえで進められます。

⑧ 「検討します」と言われたら

「検討します」は終わりではありません。まず一度、確認します。

「何があれば今日できますか?」

それでも検討であれば、次回の来店を約束します。

「僕、今週末までしかこの店舗にいないんですけど、いつなら来られそうですか?」

確認するのは、名前・電話番号・来店予定日の3つです。

個人情報の扱い(厳守)

  • 個人情報を自分で持ち帰らない・自己管理しない。
  • クライアントから支給されている見込み顧客リストのシステムに、その日のうちに登録する。
  • 個人情報を書いた紙は、その日のうちにシュレッダーにかける。

※ 個人情報の管理は、実際の運用ルール・社内規定・クライアントのルールを最優先してください。ここに書いた内容と違う指示があれば、現場の指示に従います。

この章のポイント

  • 最重要ルール:すぐに携帯の話を具体的にしない。家電で関係をつくってから。
  • SPINは契約話法ではなく「気づいてもらう」質問。現状 → 問題 → 影響 → 解決後。
  • Iは差額を見せて放置の影響に気づいてもらう。Nは解決後のメリットを本人の言葉で引き出す。
  • クロージングは迫らない。検討でも見込みを管理し、個人情報は規定を最優先で扱う。
今日からできる、たった1つ

S・P・I・Nの4語と、それぞれの一言(今どうなっている/問題はない/そのままだとどうなる/解決したらどうなる)を、何も見ずに声に出して言えるまで3回繰り返す。